働きたくないのは甘えではない|原因の見分け方と7つの選択肢

【この記事の結論】

働きたくないのは甘えではなく、負担の内容を切り分ければ辞めずに減らせる場合があります。

「朝、起きた瞬間から働きたくないと思ってしまう」。そう感じている方は少なくありません。ですが、その気持ちは性格や我慢の足りなさから来ているとは限らないのです。

この記事では、「働きたくない」という気持ちの背景を4つに切り分けたうえで、辞めずに負担を下げる7つの選択肢と、お金と生活の見通しの立て方を解説します。

いま働き続けるかどうかを決めきれずにいる方が、次に何を確かめればよいかが分かる形にまとめました。

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目次

「働きたくない」と感じるのは甘えではない|まず確認したいこと

「働きたくない」と感じるのは甘えではありません。厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関して強い不安や悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者は67.5%です。

働くことに気が進まない状態は、多くの人が通る場所にあります。まずは、その気持ちを打ち消そうとせず、何が起きているのかを見るところから始めてみてください。

仕事で強い不安・悩み・ストレスを感じている労働者は67.5%

働くことに負担を感じているのは、ごく一部の人ではありません。厚生労働省が令和7年に行った労働者への調査では、仕事に関して強い不安や悩み、ストレスを感じる事柄がある人は67.5%にのぼりました。

同じ調査で、その内容として最も多かったのは「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」です。どちらも39.5%で並んでいます。次いで「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が32.9%、「仕事の質」が30.7%と続きます。

この結果から読み取れるのは、負担の中心が人柄や気力ではないという点です。量と責任、そして人との関わりが上位に並びます。つまり「働きたくない」という感覚は、環境の側から生まれていることが多いといえます。

※ 参考元:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」(2026年8月7日公表)

前年の調査と比べると、「対人関係」は26.1%から32.9%へ、「仕事の質」は26.4%から30.7%へ上がりました。一方で「仕事の量」は43.2%から39.5%へ下がっています。

上位に並んでいる項目に共通しているのは、個人の努力で短期間には動かしにくいという点です。だからこそ、気持ちを立て直そうとするだけでは戻りにくくなります。

「働きたくない」は気持ちの弱さではなく、負担の量と種類を示すサイン

負担のサインとしての「働きたくない」:気持ちが向かない状態は、受け止められる量を超えたときに出る合図として現れます。

たとえば、同じ業務量でも、繁忙期を越えた直後と、休みが取れている時期では感じ方が変わります。業務内容が変わっていないのに気が重くなったのであれば、変わったのは量や環境のほうかもしれません。

気持ちを直そうとしても、負担そのものが減らなければ状態は戻りにくくなります。先に見るべきは、何がどれだけ積み上がっているかのほうです。

この見方をすると、対処の順番が変わります。「もっと頑張る」ではなく「何がどれだけ増えたのか」を先に確かめる形になるためです。

負担の中身は人によって違います。同じ職場で同じ業務をしていても、重く感じる部分は分かれます。だからこそ、一般的な対処法をそのまま当てはめても効かないことがあります。

仕事が続かない状態が長く続いている場合は、「メンタルが弱いと感じる人へ。仕事が続かない原因とおすすめの職業」もあわせて読んでみてください。

この記事で扱うことと、扱わないこと

この記事の範囲:気持ちの切り分けと、辞めずに負担を下げる方法、お金の見通しの立て方までを扱います。

具体的な職種の一覧は、この記事では扱いません。何に消耗しているかによって向く仕事は変わるため、先に軸を決めるほうが選びやすくなるからです。

職種を見比べたい場合は、「ストレスの少ない仕事21選」「人と関わらない仕事19選」にまとめてあります。この記事の後半でも、どちらを見ればよいかを改めて案内します。

20代で「疲れた」という感覚が強い場合は、「仕事を辞めたい・疲れた20代へ」も参考になります。

なお、この記事で挙げる選択肢は、心身にある程度の余力があることを前提にしています。眠れない日が続いている、食欲が落ちているといった変化が出ている場合は、順番が変わります。その見分け方は、このあとのセクションで具体的に扱います。

ここからは、「働きたくない」という気持ちが何から来ているのかを4つに分けて見ていきます。

【原因別】「働きたくない」を生む4つの負担と見分け方

「働きたくない」と感じる背景は、心身の消耗、人間関係、仕事内容のミスマッチ、将来の見通しの4つに分かれます。どれが中心かによって、先に打つ手が変わります。

4つのうち複数に当てはまることもあります。全部を同時に解こうとせず、いま一番重いものから見ていくと整理しやすくなります。

ここで大事なのは、どれか1つに決めることではありません。自分の場合はどこが重いのかという順番がつけば、それで十分です。順番がつくと、次のセクションで挙げる選択肢のうち、どれから試すかが決まります。

負担1:心身が消耗している(強いストレスの内容で最も多いのは「仕事の量」39.5%)

心身の消耗:休んでも回復が追いつかず、仕事以外の時間まで気力が戻らない状態です。

厚生労働省の令和7年の調査では、強いストレスの内容として「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がどちらも39.5%で最も多くなっています。長時間労働や、失敗が許されない緊張が続く環境では、気力が削られやすくなります。

見分ける目安になるのは、休日の過ごし方です。休みの日に何もする気が起きない、寝ても疲れが抜けないという状態が続いているなら、消耗が中心と考えられます。

やる気そのものが出にくいと感じている場合は、「仕事のやる気が出ないときの原因と対処法」で対処の順序を確認できます。

よくある場面としては、繁忙期が終わったのに気力が戻らない、朝の支度に以前より時間がかかる、休憩時間にも仕事のことが頭から離れないといったものがあります。いずれも、休息が足りていないときに出やすい変化です。

厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査結果の概況」も見てみます。転職した人が前職を辞めた理由のうち「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」は、男性で8.6%、女性で12.8%でした。女性では、これが個人的理由のなかで最も多くなっています。

負担2:人間関係が負担の中心になっている

人間関係の負担:仕事内容そのものより、誰とどう関わるかに気力を使っている状態です。

厚生労働省の令和7年の調査では、強いストレスの内容として「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」を挙げた人が32.9%いました。前年の26.1%から6.8ポイント上がり、3番目に多い項目になっています。

厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査結果の概況」を見てみます。転職した人が前職を辞めた理由のうち「職場の人間関係が好ましくなかった」は、男性で9.0%、女性で11.7%でした。これは実際に転職した人の回答であり、働きたくないと感じた理由そのものではありません。それでも、人間関係が離職につながりやすい要因のひとつであることは読み取れます。

見分ける目安は、相手が変わったときの感じ方です。特定の人が休みの日だけ気が楽になる、会議のない日は普通に働けるという場合は、負担の中心が関係の側にあると考えられます。

※ 参考元:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」(2024年)

よくある場面としては、次のようなものがあります。特定の人の発言を何度も思い返してしまう。報告や相談の前に、必要以上に言葉を選んでしまう。職場での雑談に加わることに気力を使う。

人間関係の負担は、業務量と違って外から見えにくいという特徴があります。そのため「自分の受け取り方の問題では」と考えてしまいやすい部分でもあります。ですが、誰と働くかは職場環境の一部であり、調整できる対象です。

負担3:仕事内容や評価が合っていない

ミスマッチ:やっている作業や評価のされ方が、自分の得意や価値観とずれている状態です。

同じ雇用動向調査では、「給料等収入が少なかった」を辞めた理由に挙げた人が男性で10.1%、女性で8.3%でした。「仕事の内容に興味を持てなかった」は男性4.4%、女性3.6%、「能力・個性・資格を生かせなかった」は男性3.8%、女性3.7%となっています。

見分ける目安は、成果が出たときの気持ちです。うまくいっても嬉しくない、評価されてもピンとこないという状態が続くなら、内容や評価軸のずれが中心にあるかもしれません。

働き方や職場の求めるものと自分の特性が合っていないと感じる場合は、「社会不適合者に向いている仕事とは?」で、特性と環境のずれという見方を確認できます。

よくある場面は次のとおりです。得意ではない作業に一日の大半を使っている。成果の出し方が評価軸と噛み合っていない。自分より雑に見える仕事のほうが高く評価される。

負担4:この先の見通しが持てない

見通しの不足:いまの仕事を続けた先に、望ましい状態が想像できない状態です。

見通しへの不安は、いまの業務そのものとは別のところから来ます。日々の仕事は問題なく回っているのに気持ちが向かない場合、この負担が中心にある可能性があります。

雇用動向調査では、「会社の将来が不安だった」を辞めた理由に挙げた人が男性で7.4%、女性で5.1%でした。会社の先行きだけでなく、自分の働き方が5年後も続けられるかどうかも、見通しの一部にあたります。

見分ける目安は、時間軸です。今日の業務は問題なくこなせるのに、来年や再来年を思うと気が重くなるなら、見通しの側が中心にあります。

この場合は、仕事の方向そのものを整理し直すほうが早いことがあります。「何の仕事がしたいか分からない人へ」に、方向の決め方をまとめてあります。

よくある場面は次のとおりです。5年上の先輩の働き方を見ても、自分の将来と重ならない。いまの業務で身につくものが分からない。会社の方針が変わり、進む先が見えなくなった。

【表】4つの負担の見分け方

4つの負担は、どの場面で気持ちが重くなるかで見分けられます。

負担のタイプ代表的な状態当てはまりやすいサイン先に読むとよいセクション
1 心身の消耗休んでも回復しない休日に何もする気が起きない/寝ても疲れが抜けない「受診・相談を先に検討したほうがよいサイン」と、選択肢1
2 人間関係特定の人や場面が重い相手が休みの日は気が楽/会議のない日は働ける選択肢2・3
3 ミスマッチ内容や評価が合わない成果が出ても嬉しくない/評価されてもピンとこない「「楽な仕事」を探す前に決めておく3つの軸」
4 見通しの不足先を思うと気が重い今日の業務はこなせる/来年を思うと重くなる「「働きたくないけどお金は欲しい」ときに最初にやること」と「転職を選択肢に入れる場合の進め方」

この表から読み取れるのは、打つ手がタイプごとに違うという点です。消耗が中心なら休息と受診の検討が先になり、見通しが中心なら仕事の方向を整理するほうが効きます。

4つすべてに当てはまると感じた場合は、消耗から先に扱ってください。気力が落ちている状態では、人間関係も仕事内容も実際より重く見えるためです。休息を取ったあとで、残っている負担がどれかを見直すと切り分けやすくなります。

ただし、心身に変化が出ている場合は、切り分けよりも先に確認したいことがあります。

受診・相談を先に検討したほうがよいサイン

眠れない、食欲がない、休日になっても気分が戻らないという状態が2週間以上続いている場合は、働き方を考える前に医療機関や相談窓口の利用を検討してください。

この記事で扱う選択肢は、心身にある程度の余力があることを前提にしています。その余力が落ちているときは、順番を入れ替えたほうが安全です。

働き方を変える相談も、転職の準備も、体力と判断力を使います。その二つが落ちている状態で決めると、あとから振り返って納得しにくくなります。

心身に出ているサインを確認する

確認したい変化:眠り、食欲、気分の戻り方の3つに変化が出ていないかを見ます。

具体的には、寝つけない日や途中で目が覚める日が続いている、食欲が落ちて体重が変わった、休日になっても気分が戻らない、涙が出る、動悸がするといった変化です。

こうした症状に当てはまる場合は、医療機関の受診を検討してください。ここで挙げているのは受診を考える目安であり、病名を判断するものではありません。

症状と休職の判断についてより詳しく知りたい場合は、「適応障害とは?症状やうつ病との違い、休職の判断軸」にまとめてあります。

期間の目安を2週間としているのは、一時的な疲れと区別するためです。繁忙期の数日だけ眠りが浅いというのと、休みが取れても戻らないというのは別の状態にあたります。

【表】相談できる窓口と使い分け

相談先は、社内・公的機関・医療機関の3方向にあります。

相談先どんなときに匿名で相談できるか備考
産業医・社内の相談窓口業務量や環境を実際に調整したいとき職場によって異なる一定規模以上の事業場には産業医が選任されている
こころの耳(厚生労働省)どこに相談すればよいか分からないときできる電話・SNS・メールの窓口がある
自治体の相談窓口生活面もあわせて相談したいとき窓口によって異なる保健所・保健センターなどが担当
医療機関(心療内科・精神科)心身の症状が2週間以上続いているときできない受診記録が残る。費用は保険診療の範囲

この表から読み取れるのは、いきなり医療機関を選ぶ必要はないという点です。迷っている段階では、匿名で使える窓口から始めるという順序も取れます。

※ 参考元:厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

受診するか迷うときの考え方

迷ったときの目安:症状が続いている期間と、生活への影響の大きさで考えます。

受診をためらう理由として多いのは、「この程度で行っていいのか」という迷いです。医療機関では、受診の必要があるかどうかも含めて相談できます。

また、相談したからといって、仕事を辞めることが決まるわけではありません。休職や業務量の調整という形で、働き続けながら負担を下げる道も残ります。

費用の面では、心療内科や精神科の受診は健康保険の対象です。公的な相談窓口については、費用がかからない形で利用できるものもあります。

受診の記録が残ることを気にされる方もいます。その場合は、まず匿名で使える窓口に相談して、必要かどうかを整理するという進め方もできます。

働き方を変える選択肢は、この次のセクションでまとめて見ていきます。

辞めずに負担を下げる7つの選択肢

働きたくないと感じたときの選択肢は、辞めるか続けるかの2つではありません。休みの取り方から休職まで、負担の下げ方には段階の違う7つの手段があります。

以下は着手しやすい順に並べていますが、上から順にやる必要はありません。前のセクションで見た4つの負担のうち、どれが中心かによって着手する場所は変わります。

消耗が中心なら選択肢1から、人間関係が中心なら選択肢2と3から見てください。見通しが持てないことが中心の場合は、選択肢7と、このあとのセクションが近い内容になります。

選択肢1:まとまった休みを取り、回復の時間を確保する

まず休む:1日ではなく、連続した休みを取って回復にあてる方法です。

誰に何を言えばよいかというと、上司に有給休暇の取得を申し出るだけで足ります。理由を細かく説明する義務はありません。

1日の休みでは、たまった疲れが戻りきらないことがあります。週末とつなげて3日以上を確保すると、回復しているかどうかを判断しやすくなります。

休んでも気分が戻らない場合は、消耗以外の負担が残っている可能性があります。その場合は次の選択肢に進んでください。

有給休暇は労働基準法で定められた権利で、取得の理由を会社に説明する義務はありません。「私用のため」と伝えるだけで足ります。

選択肢2:業務量と担当の調整を申し出る

量を減らす:抱えている業務のうち、外せるものを具体的に挙げて相談する方法です。

相談する相手は直属の上司です。「つらいので減らしたい」ではなく、「この案件とこの案件のどちらを優先しますか」と聞く形にすると、話が進みやすくなります。

強いストレスの内容として最も多く挙がっているのは、仕事の量と仕事の失敗・責任の発生で、どちらも39.5%です。仕事の量は主要なストレス要因のひとつであり、業務量の調整を検討する余地があります。

上司に伝えること自体が難しいと感じている場合は、「「仕事辞めたい」が言えない時の解決策5つ」に、切り出し方の例がまとまっています。

相談の前に、抱えている業務を紙に書き出しておくと話が具体的になります。件数と、それぞれにかかっている時間を並べるだけで十分です。

調整がすぐに通らない場合もあります。その場合でも、状況を伝えた記録が残ることには意味があります。後から異動や休職を相談するときに、経緯を一から説明せずに済むためです。

選択肢3:部署異動・職務変更を相談する

環境を変える:会社を辞めずに、関わる人と業務内容を入れ替える方法です。

人間関係が負担の中心にある場合、この手段が最も直接的に効きます。相談先は上司、または人事部です。

異動には社内の時期や枠の都合があるため、希望してすぐに動くとは限りません。半年から1年の幅で考えておくと、待つ間の見通しが立てやすくなります。

社内異動と転職の違いについては、「キャリアチェンジは難しい?何歳まで可能か・進め方」で、社内異動という選択肢を含めて整理しています。

異動を相談するときは、「いまの部署が嫌だから」ではなく「こういう業務に関わりたい」という形にすると、話が前に進みやすくなります。希望する部署が具体的にあるなら、その名前も添えておきます。

会社の規模によっては、異動の枠そのものが少ない場合もあります。その場合は、次の選択肢4のように条件だけを変える方法から検討することになります。

選択肢4:勤務時間や在宅など働き方の条件を変える

条件を変える:仕事の中身は変えずに、時間と場所の負担だけを下げる方法です。

在宅勤務、時差出勤、フレックス、時短勤務などが該当します。相談先は上司または人事部で、制度として用意されているかを先に確認します。

通勤の負担が大きい場合や、人と同じ空間にいることで消耗している場合に効きます。一日の中で一人になれる時間が増えるだけで、気力の残り方が変わることがあります。

人との接触量そのものを減らす働き方を知りたい場合は、「人と関わらない仕事19選」に、在宅でできる仕事も含めてまとまっています。

制度がある会社でも、使われていない場合があります。就業規則を確認したうえで、実際に利用している人がいるかを人事部に聞いてみてください。

選択肢5:休職という制度があることを知っておく

制度として休む:医師の診断のもとで、一定期間仕事から離れる方法です。

休職は多くの会社で就業規則に定められています。利用の可否や期間は会社ごとに違うため、就業規則を確認するか、人事部に問い合わせることになります。

実際に休職を検討する段階では、主治医と会社の双方とやり取りが必要になります。手続きや期間中の収入の扱いは、「適応障害とは?症状やうつ病との違い、休職の判断軸」で詳しく解説しています。

ここで押さえておきたいのは、辞めることと休むことは別の選択肢だという点です。辞めるしかないと感じている場合でも、間に休職という段階があります。

傷病を理由とした休職では、診断書等の提出を求められる場合があるため、就業規則を確認してください。この記事の前のセクションで挙げたサインが出ている場合は、まずそちらを確認してください。

選択肢6:社外に相談先をつくる

外の視点を入れる:社内では話しづらいことを、利害関係のない相手に話す方法です。

厚生労働省の「こころの耳」のように、匿名で使える窓口があります。家族や友人に話すことも、状況を言葉にする練習として役に立ちます。

一人で考え続けると、選択肢が「続けるか辞めるか」の2つに狭まりやすくなります。話す相手がいると、途中の選択肢が見えるようになります。

相談するときに、結論を出してもらう必要はありません。「いま何が起きているか」を口に出すだけで、負担の内訳が整理されることがあります。

職場の同僚に話す場合は、話した内容が広がる可能性も考えておいてください。外部の窓口のほうが話しやすいという方は、そちらから始めても構いません。

選択肢7:転職活動を「情報収集だけ」始めてみる

調べるだけ始める:応募や退職を決めずに、他社の条件を見るところから始める方法です。

転職UPPPが転職経験のある20代476人に行った調査では、転職前に企業について何らかの情報収集をした人の満足度は78.2%(432人)でした。情報収集をしなかった人の満足度は40.9%(44人)で、差は2倍近くになります。

この数値は転職サービスを使って転職した20代のものであり、全体を代表するものではありません。それでも、動く前に調べた人ほど納得しやすいという傾向は読み取れます。

調べた結果、いまの会社の条件が悪くないと分かることもあります。情報収集そのものが判断材料になるという点で、辞める前に取れる手段のひとつです。

在職中に調べておくと、収入が続いている状態で比べられます。辞めてから探す場合と比べて、判断に使える時間が長くなります。

※ 参考元:転職UPPPが2025年11月中旬に20代476人へ実施したインターネット調査

【表】7つの選択肢を比べる

7つの選択肢は、着手のしやすさと効果が出るまでの時間が異なります。

選択肢着手のしやすさ効果が出るまでの目安収入への影響相談する相手
1 まとまった休みを取る高い数日〜2週間なし(有給の場合)直属の上司
2 業務量・担当の調整高い数週間〜1か月なし直属の上司
3 部署異動・職務変更中くらい半年〜1年職務により変わる場合がある上司・人事部
4 勤務時間・在宅など条件変更中くらい1〜3か月時短の場合は下がる上司・人事部
 5 休職低い(診断が必要)1か月〜会社の規定による主治医・人事部
6 社外に相談先をつくる高いすぐなし公的窓口・家族・友人
7 情報収集だけ始める高い1〜3か月なし

この表から読み取れるのは、収入に影響しない手段が7つのうち4つあるという点です。有給の取得、業務量の調整、社外への相談、情報収集の4つは、給与を変えずに始められます。お金の不安がある段階でも、動かせる部分は残っています。

また、効果が出るまでの時間にも幅があります。休みを取る、社外に相談するといった手段はその日から始められる一方、異動は半年から1年かかります。すぐに効く手段と、時間がかかる手段を同時に走らせておくという進め方もできます。

一方で、年代によって取りやすい選択肢は変わります。次に、その違いを見ていきます。

【年代別】20代・30代・40代で「働きたくない」の背景はどう違うか

「働きたくない」と感じる理由そのものは年代でそれほど変わりません。変わるのは、動こうとしたときにかかる制約の大きさです。

ここでは20代・30代・40代以降の3つに分けて、背景と制約を整理します。

年代を優劣として読む必要はありません。どの年代にも取りやすい手段と取りにくい手段があり、順番が違うだけです。

20代:初めてが多く、心身が疲れやすい時期

20代の背景:仕事の型がまだ身についておらず、一つひとつの業務に使う気力が大きい時期です。

厚生労働省の令和7年の調査では、20〜29歳で「仕事の量」を挙げた人が51.6%と、年齢階級別で最も高い割合でした。初めて経験することが多いため、同じ業務量でも消耗しやすくなります。理想と実際の仕事内容の差に戸惑うことも重なりやすい時期です。

刺激を受け取りやすい特性がある方は、この時期にとくに疲れやすくなります。その場合は「HSPで仕事が続かないのはなぜ?向いてる仕事の選び方と職場で消耗しないコツ」が近い内容です。

動くときの制約は比較的小さく、扶養する家族や住宅ローンを抱えていない場合が多くあります。選択肢1から4までを試しやすい年代だといえます。

同じ悩みを20代に絞って扱った記事として、「仕事を辞めたい・疲れた20代へ|それは甘え?見分けるサインを解説」があります。

先に確認したいのは、いまの状態が慣れの問題かどうかです。半年前と比べて業務が楽になっている部分があるなら、まだ慣れの途中にある可能性があります。

一方で、半年経っても同じところで消耗しているなら、慣れでは解けない部分が残っています。その場合は、業務内容そのものか、働く条件のどちらかを動かす必要があります。

30代:責任と生活の負担が同時に増える時期

30代の背景:任される範囲が広がる一方で、生活面の固定費も増えていく時期です。

厚生労働省の令和7年の調査では、30〜39歳で「仕事の失敗、責任の発生等」を強いストレスとして挙げた人が45.7%と、この年代で最も多い項目でした。自分の業務に加えて、後輩や部下の仕事にも責任が及ぶ場面が増えます。

動くときの制約は中くらいです。住宅費や教育費が固定されている場合、収入を下げる選択肢は取りにくくなります。

先に確認したいのは、いまの負担が一時的なものかどうかです。繁忙期やプロジェクトの山を越えれば戻るのか、構造として続くのかで、打つ手が変わります。

この年代で取りやすいのは、業務量の調整と異動の相談です。社内での経験が積み上がっているため、担当の組み替えという形で調整できる余地があります。

また、30代は転職市場でも経験を評価されやすい年代です。いまの職場での調整と、外の条件を調べることを並行して進めるという選択もできます。

40代以降:働き方の見直しと家計の両立が課題になる

40代以降の背景:体力の変化と、家計の責任が同時に大きくなる時期です。

同じ調査では、40〜49歳で「役割・地位の変化等(昇進・昇格、配置転換等)」を挙げた人が22.6%でした。年齢階級別で最も高い割合です。望んだわけではない役割が加わることで、負担が増える場合があります。

動くときの制約は大きくなりますが、選べる手段がなくなるわけではありません。収入を維持したまま負担を下げる選択肢1から4は、この年代でも取れます。

先に確認したいのは、毎月いくら必要かという数字です。金額がはっきりすると、収入を下げられる幅も見えてきます。

また、この年代では体力の回復にかかる時間が変わってきます。以前と同じ働き方を続けているのに疲れが抜けにくいという場合、働き方のほうを調整するという考え方ができます。

家族の状況が判断に関わる場合は、必要額を家庭で共有しておくと動きやすくなります。一人で数字を抱えている状態が、選択肢を狭めていることもあります。

※ 参考元:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」第17表(年齢階級別)

【データ】転職した人の年収と満足度は年代でどう違うか

転職UPPPは、転職経験のある20代と30代に独自のアンケート調査を行っています。詳しい内訳は「20代476人に聞いた転職のリアル」「30代700人に聞いた転職調査」にまとめてあります。

20代(476人・2025年11月中旬)30代(700人・2026年1月下旬)
年収が上がった69%63.9%
変わらない18%20.0%
年収が下がった13%16.1%
転職に満足している約75%58.0%

この表から読み取れるのは、年収が上がった人の割合は20代のほうがやや高く、満足度にも差があるという点です。ただし、どちらの調査も対象は転職サービスを使って転職した人に限られます。

30代の調査では、転職先を選ぶときに重視した項目も聞いています。年収アップが31.6%、労働時間・休日の改善が26.0%でした。仕事のやりがいが21.7%、スキルアップ・専門性が21.6%と続きます。

収入だけでなく、時間と休日の改善が同じくらい重視されている点は、「働きたくない」という感覚が量の問題と結びついていることとも重なります。

なお、この調査の数値は転職後の結果であり、転職すればこうなるという意味ではありません。転職した人のなかでも、年収が下がった人は20代で13%、30代で16.1%います。

この記事で伝えたいのは、転職を勧めることではありません。動いた人のなかにも結果に幅があるという事実を、判断の材料として置いています。

※ 参考元:転職UPPPが2025年11月中旬に20代476人2026年1月下旬に30代700人(男性350人・女性350人)へ実施したインターネット調査

ここまでは負担の下げ方を見てきました。次は、お金の側から見た場合の考え方を整理します。

「働きたくないけどお金は欲しい」ときに最初にやること

働き方を変えられるかどうかは、毎月いくら必要かを出すところから決まります。金額が分かると、選べる選択肢の範囲がはっきりします。

「働きたくないけどお金は必要」という状態は、気持ちの問題ではなく数字の問題として扱えます。ここでは3つのステップに分けて見ていきます。

ステップ1:毎月いくらあれば暮らせるかを出す

必要額を出す:家賃、食費、光熱費、通信費、保険、返済など、毎月決まって出ていく金額を合計します。

ここで出すのは「いまの生活費」ではなく「削れない金額」です。外食や趣味の費用は、いったん別に分けておきます。

この金額が分かると、収入をどこまで下げられるかの下限が決まります。多くの場合、想像していた金額より下限は低くなります。

貯蓄がある場合は、何か月分の生活費に相当するかも計算しておきます。動ける期間の目安になるためです。

計算に時間をかける必要はありません。直近3か月の口座の引き落としを見て、毎月同じ金額が出ているものを拾えば足ります。

この数字が出ると、「収入が下がったら生活できない」という漠然とした不安が、「月◯万円を下回ると難しい」という具体的な線に変わります。線が引けると、そこまでは動かせるという判断ができるようになります。

ステップ2:収入を落とさずに負担を減らせるかを確認する

まず収入を維持する道を探す:前のセクションの7つの選択肢のうち、給与を変えずに取れるものから確認します。

有給の取得、業務量の調整、社外への相談、情報収集の4つは、給与の水準を変えずに始められます。在宅勤務や時差出勤への変更も、勤務時間が同じであれば給与は変わりません。

一方、部署異動は職務が変わることで手当が動く場合があります。時短勤務は勤務時間に応じて収入が下がるため、ステップ1で出した下限と照らし合わせて判断します。

転職UPPPが30代700人に行った調査では、転職先を選ぶときに労働時間・休日の改善を重視した人が26.0%いました。年収アップの31.6%に近い水準で、時間の負担が判断材料になっていることが分かります。

収入を維持したまま負担が下がるなら、そこで止めるという選択もあります。先に進む必要があるかどうかは、この段階で一度確認してください。

収入を維持する手段から先に試す理由は、後戻りしやすいためです。業務量の調整や在宅勤務は、合わなければ元に戻せます。雇用形態を変えた場合、元に戻すには再度の転職が必要になります。

ステップ3:収入が下がる場合、何がどう変わるかを見る

変わるのは手取りだけではない:働き方を変えると、社会保険や年金の扱いも一緒に変わります。

 

働き方収入の見通し収入の見通し元に戻しやすいか
正社員のまま条件を変える維持されることが多い変わらない戻しやすい
時短勤務勤務時間に応じて下がる勤務時間により変わる場合がある戻しやすい(制度の範囲内)
契約社員・派遣契約内容による加入条件を個別に確認する必要がある戻すには再度の転職が必要
フリーランス(業務委託)契約内容による原則は国民健康保険・国民年金に切り替える(任意継続や家族の扶養に入る選択肢もある)戻すには再就職が必要

この表から読み取れるのは、収入の増減だけでなく、戻しやすさに差があるという点です。先に条件変更を試してから雇用形態を検討すると、後戻りしやすい順に進められます。

健康保険は、任意継続・家族の被扶養者・国民健康保険のいずれかを選ぶ形になります。退職後の健康保険や年金の手続き、失業保険の申請については、「次の仕事が決まってないけど会社を辞める人の判断軸と準備法」にまとめてあります。

とくに社会保険は、雇用形態によって加入の条件が変わります。手取りの金額だけでなく、健康保険や年金がどうなるかも一緒に確認してください。

税や社会保険の扱いは、収入の額や加入する制度によって変わります。自分の場合にどうなるかは、勤務先の人事部か、住んでいる自治体の窓口で確認できます。

「働かずに生きる方法」を検討する前に確認したいこと

確認する3点:必要額、続けられる期間、戻れる道があるかの3つを見ます。

「働きたくない どうやって生きる」という問いに対して、支出を減らせば生活は成り立つという説明を見かけます。実際に成り立つかどうかは、ステップ1で出した金額と、その状態を何年続けるつもりかによります。

また、収入がない期間が長くなると、次に働き始めるときの選択肢が狭まりやすくなります。働かない状態を選ぶこと自体を否定するつもりはありませんが、戻る道を残しておくかどうかは先に決めておくほうが安全です。

仕事の方向そのものを整理し直したい場合は、「何の仕事がしたいか分からない人へ」が出発点になります。

この記事では、副業や投資で生活費をまかなうという方法は扱っていません。収入が安定するまでの期間や成否に幅が大きく、いま負担を下げたい方の解決策としては勧めにくいためです。

働く量を減らすという方向であれば、時短勤務や週の勤務日数を減らす形から検討できます。収入をゼロにする前に、途中の段階がいくつかあります。

「働きたくない」と「一生働かない」は、同じ言葉で語られがちですが別のものです。いま負担を下げたいのか、働くこと自体をやめたいのかで、必要な準備が変わります。

お金の見通しが立ったら、次は「どんな仕事なら続けられるか」を考える段階に入ります。

「楽な仕事」を探す前に決めておく3つの軸

「楽な仕事」は職種名では決まりません。同じ職種でも、何に消耗しているかによって向き不向きが逆になります。

たとえば人と話すことが負担な方にとって接客は重い仕事ですが、黙って作業を続けることが苦痛な方にとっては、接客のほうが軽く感じられます。先に軸を決めておくと、職種の一覧を見たときに判断しやすくなります。

軸1:自分が何に消耗しているかを言葉にする

消耗の正体を分ける:人との接触、量とスピード、責任とミス、時間と場所の4つに分けて考えます。

厚生労働省の令和7年の調査で、強いストレスの内容の上位に並んだのは4つです。「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がどちらも39.5%、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」が32.9%、「仕事の質」が30.7%でした。自分の場合はどれが重いかを、実際の場面とセットで書き出してみてください。

消耗しているもの求人票と面接で確認する条件絞り込みの方向性
人との接触1日の対人業務の割合/チーム人数/顧客対応の有無対人業務の比率が低い仕事
量とスピード月間の平均残業時間/繁忙期の長さ/納期の頻度業務量が平準化されている仕事
責任とミスノルマの有無/ミス時の影響範囲/二重チェックの体制個人の成果に紐づかない仕事
時間と場所在宅可否/勤務時間の選択肢/通勤時間時間と場所の自由度が高い仕事

この表から読み取れるのは、確認すべき条件が消耗の種類ごとに違うという点です。求人票で見る場所が変わるため、先に軸を決めておくほど探す時間が短くなります。

書き出すときは、「人間関係がつらい」ではなく「毎日15時からの定例会議で消耗する」というところまで具体化してください。具体的になるほど、求人票で確認すべき項目がはっきりします。

1週間、気持ちが重くなった場面をメモしておくという方法もあります。後から並べてみると、同じ種類の場面が繰り返し出てくることが多くあります。

軸2:譲れない条件と妥協できる条件を分ける

優先順位をつける:すべての条件を満たす仕事はないという前提で、順番を決めます。

条件を並べたら、上から3つに印をつけてみてください。その3つが譲れない条件で、残りは状況によって妥協できる条件になります。

この作業をしないまま探し始めると、条件を並べるだけで候補がなくなります。自分に合う仕事の探し方については、「自分に合う仕事の見つけ方6ステップ」に手順がまとまっています。

たとえば、在宅勤務が譲れない条件なら、年収は多少下がっても受け入れるという判断になります。逆に年収が譲れないなら、通勤や勤務時間は妥協するという形になります。

軸3:収入の下限を決めておく

下限を先に決める:前のセクションで出した必要額を、そのまま条件に使います。

下限が決まっていないと、負担が軽い求人を見たときに判断できません。逆に下限がはっきりしていれば、条件を満たすかどうかで機械的に絞り込めます。

やりたいことが決まっていない状態でも、この3つの軸だけで探し始めることはできます。「転職したいけどやりたいことがない」に、やりたいこと以外を軸にする考え方をまとめてあります。

下限は「いまと同じ年収」ではなく、生活が成り立つ金額です。この2つを混同すると、選べる求人が実際より少なく見えます。

もちろん、年収を下げたくないという判断もあります。その場合は下限を高く設定したうえで、時間や場所の条件を妥協するという組み合わせになります。

具体的な職種を見たい場合の進み先

職種の一覧はこちら:軸が決まったら、条件に合う職種を一覧から絞り込みます。

何に消耗しているかで選ぶ職種を整理した記事として、「ストレスの少ない仕事21選|「何に消耗するか」で選ぶべき職種は変わる」があります。正社員で選べるかどうかも、この記事で扱っています。

人との接触量を減らしたい場合は、「人と関わらない仕事19選|未経験・在宅・高収入から自分に合う仕事の選び方」のほうが近い内容です。未経験から始めやすい仕事や在宅でできる仕事も含まれています。

ここまでで、負担を下げる手段と仕事の選び方を見てきました。最後に、状況を長引かせやすい行動を確認しておきます。

働きたくない気持ちが続くときに、避けたい3つのこと

状況を長引かせやすいのは、何も決めないまま辞めること、誰にも話さないこと、体のサインを無視して出勤し続けることの3つです。

どれも、そうしてしまう理由がある行動です。責めるためではなく、選択肢が狭まる仕組みとして読んでみてください。

1:何も決めないまま勢いで辞める

準備なしの退職は選択肢を狭める:次の見通しがない状態で辞めると、判断に使える時間が減ります。

転職UPPPが20代476人に行った調査では、事前に企業について情報収集をした人の満足度は78.2%、しなかった人は40.9%でした。調べる時間があったかどうかが、あとの納得につながっています。

辞めること自体が悪いわけではありません。ただ、辞めてから探すと、収入が減っていく状況で決めることになります。

勢いで辞めたくなる背景には、限界まで我慢してから動くという流れがあります。そうなる前に、前のセクションで挙げた手段を1つでも試しておくと、選べる状態を保ちやすくなります。

次が決まっていない状態で辞める場合の準備については、「次の仕事が決まってないけど会社を辞める人の判断軸と準備法」を確認してください。

2:誰にも話さずに抱え込む

一人で考えると2択になる:話す相手がいないと、選択肢が「続ける」か「辞める」に絞られます。

この記事で挙げた7つの選択肢のうち、6つは誰かに相談することで進みます。つまり、話さないという選択が、そのまま手段を減らすことにつながります。

社内で話しづらい場合は、厚生労働省の「こころの耳」のように匿名で使える窓口があります。利害関係のない相手に話すほうが、整理しやすいこともあります。

抱え込みやすい方ほど、「相談するほどのことではない」と考えがちです。ですが、相談の目的は解決してもらうことではなく、状況を言葉にすることにあります。

言葉にすると、4つの負担のうちどれが重いのかが自分でも見えてきます。相手に答えを求めなくても、話すこと自体に整理の効果があります。

3:体に出ているサインを無視して出勤し続ける

回復に時間がかかる:症状が出たまま働き続けると、戻るまでの期間が長くなりやすくなります。

眠れない、食欲がない、休日も気分が戻らないという状態が続いている場合は、働き方を変える前に相談・受診を検討してください。

辞めどきの判断そのものに迷っている場合は、「仕事の辞めどきとなる14のサイン」に判断材料がまとまっています。

動き出すこと自体がおっくうに感じられる場合は、「「仕事辞めたいけど転職めんどくさい」は放置NG」で、その状態の扱い方を解説しています。

症状を我慢して働き続けると、回復までにかかる期間が長引きがちです。結果として、休む期間も長くなります。早めに手を打つほうが、働き続けるという選択肢を残せます。

ここまでの選択肢を試したうえで、転職を検討する場合の進め方を最後に整理します。

転職を選択肢に入れる場合の進め方

転職を選ぶ場合も、在職中に情報収集から始められます。転職した20代のうち、事前に企業を調べた人の満足度は78.2%でした。

転職はここまでに挙げた7つの選択肢と並列にあるものです。働きたくないという状態が、転職で必ず解消されるとは限りません。

負担の中心が業務量にある場合、転職先でも同じ量を求められれば状況は変わりません。だからこそ、何が負担なのかを先に言葉にしておく必要があります。

在職中に情報収集から始める

辞める前に調べる:応募や退職を決めずに、他社の条件を見るところから始めます。

見るのは、前のセクションで決めた3つの軸に対応する項目です。対人業務の割合、残業時間、在宅の可否、給与の下限を満たしているかを確認します。

転職UPPPが30代700人に行った調査では、転職先を選ぶときに年収アップを重視した人が31.6%、労働時間・休日の改善が26.0%でした。年収と、労働時間・休日の双方が、転職先を選ぶときに重視されていることが分かります。

在職中に進める場合、いまの仕事を続けながらになります。無理のない範囲で、週に1時間だけ求人を見るといった形でも構いません。

調べた結果、条件を満たす求人が見つからないこともあります。その場合も、いまの職場の条件が相対的にどうなのかは分かります。

登録や応募をしなくても、公開されている求人情報だけで条件は比べられます。動くかどうかは、材料が揃ってから決めれば間に合います。

「辞めたい理由」と「やりたい仕事」を分けて整理する

2つは別の問い:辞めたい理由が明確でも、やりたい仕事が決まっているとは限りません。

この2つを同時に考えようとすると、決められないまま時間が過ぎやすくなります。先に「何を避けたいか」を確定させ、そのあとで候補を並べるほうが進みます。

「避けたいこと」は、この記事の前半で切り分けた4つの負担がそのまま材料になります。消耗が中心だったなら業務量と残業時間、人間関係が中心だったならチームの規模や対人業務の割合が条件になります。

やりたいことが後から見つかることもあります。避けたいことを外した環境に移ってから、余力ができて見えてくるという順番です。

やりたいことが決まっていない状態からの進め方は、「転職したいけどやりたいことがない」にまとまっています。

決められないときに戻る場所

迷ったら方向の整理に戻る:条件を並べても決まらない場合は、仕事の方向そのものを見直します。

「何の仕事がしたいか分からない人へ|原因から見つけ方まで完全ガイド」では、方向が決まらない原因を4つに分けて解説しています。

社内で職種を変えるという道が残っている場合は、「キャリアチェンジは難しい?何歳まで可能か・進め方」社内異動と転職を比べられます。

自分に合う条件の見つけ方は、「自分に合う仕事の見つけ方6ステップ」で手順として確認できます。

どこから手をつけるか決まらない場合は、「辞めずに負担を下げる7つの選択肢」に戻ってください。給与を変えずに試せる手段が4つあります。転職はそのあとでも間に合います。

転職を選ぶ場合も、選ばない場合も、判断の材料は同じです。何に消耗しているかと、いくら必要かの2つが分かっていれば、どちらの道でも進められます。

「働きたくない」に関するよくある質問

Q1:働きたくないと思うのは甘えですか?

甘えではありません。厚生労働省の調査では、仕事で強いストレスを感じている労働者は67.5%です。

この数値は、厚生労働省が令和7年に行った労働安全衛生調査(実態調査)の労働者調査によるものです。2026年8月に公表された最新の結果で、働くことに負担を感じている人は多数派にあたります。

気持ちを打ち消そうとするより、何が負担になっているかを分けて見るほうが、次の手が決まりやすくなります。

Q2:働きたくない気持ちは治せますか?

気持ちを直すより、負担の内容を4つに切り分けて減らすほうが現実的です。

心身の消耗、人間関係、仕事内容のミスマッチ、将来の見通しの4つのうち、どれが中心かによって効く手段が変わります。

複数に当てはまることもあります。その場合は、いま一番重いものから順に扱ってください。

Q3:働きたくないけどお金は欲しいときはどうすればいいですか?

まず毎月いくら必要かを出すと、選べる働き方の範囲がはっきりします。

家賃や光熱費など削れない支出を合計すると、収入の下限が決まります。その下限を超えている場合は、収入を維持したまま負担を下げる手段から検討できます。

退職後の健康保険や失業保険の手続きについては、「次の仕事が決まってないけど会社を辞める人の判断軸と準備法」を参照してください。

Q4:働きたくない人に向いている仕事はありますか?

職種名では決まりません。何に消耗しているかが分かると、向く方向が絞れます。

人との接触が負担なのか、量とスピードが負担なのかによって、同じ職種の評価が逆になります。先に軸を決めてから一覧を見るほうが、絞り込みが早くなります。

職種の一覧は、「ストレスの少ない仕事21選」「人と関わらない仕事19選」にまとめてあります。

Q5:もう働きたくないと感じる30代はどうすればいいですか?

30代は責任と生活の負担が重なる時期で、辞める前に働き方を変える相談が先になります。

転職UPPPが30代700人に行った調査では、転職に満足している人は58.0%でした。対象は転職サービスを使って転職した人に限られるため、全体を代表する数値ではありません。

固定費が大きい年代のため、収入を維持したまま取れる手段から確認することをおすすめします。

Q6:40代で働きたくないと感じたらどうすればいいですか?

40代は家計と両立できる範囲を先に確認すると、選択肢を絞りやすくなります。

毎月の必要額が分かると、収入をどこまで下げられるかの幅が決まります。そのうえで、有給の取得や業務量の調整など、収入を下げずに済む手段から試せます。

この年代でも取れる選択肢はあります。動く前に、数字を出すところから始めてみてください。

Q7:働きたくないのは病気の可能性がありますか?

眠れない、食欲がないなどの状態が2週間以上続く場合は、医療機関の受診を検討してください。

この記事で病名を判断することはできません。受診が必要かどうかも含めて、医療機関で相談できます。

どこに相談すればよいか分からない場合は、厚生労働省の「こころの耳」に電話・SNS・メールの窓口があります。症状と休職の判断については「適応障害とは?症状やうつ病との違い、休職の判断軸」を参照してください。

Q8:働きたくないまま仕事を辞めても大丈夫ですか?

辞めること自体は選べますが、次の見通しがないまま辞めると選択肢が狭まりやすくなります。

収入が減っていく状況では、決断までに使える時間が短くなります。在職中に情報収集だけ始めておくと、判断材料を持った状態で選べます。

辞めどきの判断材料は「仕事の辞めどきとなる14のサイン」に、退職後の準備は「次の仕事が決まってないけど会社を辞める人の判断軸と準備法」にまとめてあります。

まとめ|負担の内訳が分かると、働きたくない気持ちは扱えるようになる

働きたくない気持ちは、消すものではなく内訳を分けるものです。どの負担が中心かが分かると、次に打つ手が決まります。

この記事で確認した要点を3つに絞ります。

この記事で確認したこと
  • 心身に変化が出ていないかを先に確認する。 眠れない、食欲がない、休日も気分が戻らないという状態が2週間以上続く場合は、働き方を考える前に相談・受診を検討してください
  • 4つの負担のうち、どれが中心かを言葉にする。 心身の消耗・人間関係・仕事内容のミスマッチ・将来の見通しのどれが重いかで、先に打つ手が変わります
  • 毎月いくら必要かを出す。 金額が決まると、収入をどこまで下げられるかの下限がはっきりします

この3つが分かると、辞めるかどうかを決める前に試せる手段が見えてきます。有給の取得、業務量の調整、社外への相談、情報収集の4つは、給与を変えずに始められます。

働きたくないという気持ちを、なくそうとしなくて構いません。その気持ちは、いまの環境と自分の間で何かがずれていることを教えてくれる合図です。合図の中身が分かれば、扱える形になります。

決めるのは今日でなくても構いません。まずは、心身の状態を確かめるところからで十分です。

働き方は一度決めたら変えられないものではありません。調整して、様子を見て、また調整するという進め方ができます。

心身の症状が続いている方は、「適応障害とは?症状やうつ病との違い、休職の判断軸」を確認してください。

続けられる職種を見比べたい方は「ストレスの少ない仕事21選」へ、仕事の方向から考え直したい方は「何の仕事がしたいか分からない人へ」へ進んでみてください。

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