実はホワイト企業は退職者が多い?「ゆるい企業」の意外な落とし穴【体験談あり】

ホワイト企業への転職を希望する人は多いですが、ホワイト企業は退職者が多いのをご存知でしょうか。
ゆるい企業は働きやすい環境ではありますが、見落としがちな落とし穴もあります。

このページでは、ホワイトすぎる企業を辞める人が多い理由を、ホワイト企業経験者や有識者の口コミも交えて解説

働きやすいホワイト企業への転職を目指している人は参考にしてください。

 

この記事を書いた人
T.F氏:30代前半

転職UPPPライター

T.F氏:30代前半

ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。

利用した転職サイト

リクルートエージェント、リクナビNEXT、Green、Wantedly、VISIONARY

「ホワイト企業」の基準とは?

ホワイト企業の基準は社員の健康を考えた取り組みをしていること

ホワイト企業の定義は、非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構が「健康経営優良法人 ホワイト500」を認定する際の5つの基準を参考するとわかりやすいでしょう。

「健康経営優良法人 ホワイト500」には大規模法人向けと中小規模法人向けの2種類があります。

大規模法人のホワイト企業の基準
概要
経営理念・方針アニュアルレポートや統合報告書などによる健康宣言の社内外への発信が求められます。
組織体制健康づくりの責任者を役員以上のポジションが担当し、健保などの保険者と連携して取り組むことが求められます。
制度・施策実行生活習慣病の予防対策やメンタルへルス対策など、17の項目のうち一定基準を満たすことが求められます。具体的な内容としては、
・定期検診受診率100%
・受診勧奨の取り組み
・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
などがあります。
評価・改善健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証を実施する必要があります。
法令遵守・リスクマネジメント法令違反や労働災害など安全衛生上の状況について問われます。具体的な内容としては、
・定期検診を実施していること
・保険者による特定健康診査
・特定保健指導が実施されていること
・従業員の健康管理に関する法令について重大な違反をしていないこと
などが求められます。
中小規模法人のホワイト企業の基準
概要
経営理念・方針健康宣言書の掲示など、経営者が従業員の健康管理に取り組むことを明文化し、その文書などを組織の内外に発信することなどが求められます。
組織体制工場、店舗などすべての事業場に従業員の健康管理の担当者を設置することが求められます。基本的に事業場間の担当者の兼務は認められません。
制度・施策実行生活習慣病の予防対策やメンタルへルス対策など、16の項目のうち一定基準を満たすことが求められます。具体的な内容としては、
・定期検診受診率100%
・受診勧奨の取り組み
・50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
などがあります。
評価・改善必要に応じて、保険者に対して40歳以上の従業員の健康診断のデータを提供することなどが求められます。
法令遵守・リスクマネジメント法令違反や労働災害など安全衛生上の状況について問われます。具体的な内容としては、
・定期検診を実施していること
・保険者による特定健康診査
・特定保健指導が実施されていること
・従業員の健康管理に関する法令について重大な違反をしていないこと
などが求められます。

参考:非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構「「健康経営優良法人 中小規模 ブライト500認定」 ~従業員の健康と働き方に配慮した中小企業の証~」

非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構とは、安心して働ける労働環境情報を提供することを目的とした組織。上記の基準を満たした企業を健康経営優良法人(一般的にいうホワイト企業)として認定しています。

大企業と中小企業で基準が若干異なりますが、非営利一般社団法人安全衛生優良企業マーク推進機構が設けた以下のような基準を満たす企業をホワイト企業と認めているようです。

  • 会社の健康宣言の社外への提示
  • 健康づくりの責任者を設置し、健保などの保険者と連携して取り組む
  • 生活習慣病の予防対策やメンタルへルス対策などの項目のうち一定基準を満たす
  • 健康保持・増進を目的とした導入施策への効果検証の実施
  • 法令違反や労働災害などの遵守(定期検診の実施、特定保健指導が実施など)

少々難しいですが、簡単にまとめると【健康維持のための取り組みを明言し、それを実施し、定期的に健康保持や増進の改善を行なっている】企業がホワイト企業と認められる要素となります。

ここでいう「健康」とは、労働時間などによる身体的健康や、パワハラ・セクハラなどによる精神的健康の両方を示します。

ホワイト企業なのに退職者が多い理由。働きやすいのになぜ辞める?

ホワイト企業なのに退職者が多いのには、次のような理由が考えられます。

  • 仕事にやりがいを感じない
  • 知識や技術を活かせる機会が少ないため成長できない
  • 周りの社員の士気が低くモチベーションを保てない
  • 仕事がゆるいため会社の将来が不安

理由①:仕事にやりがいを感じない

ホワイト企業は残業やストレスを防ぐために業務内容が制限されがち

ホワイトすぎる企業は、労働時間や仕事量の厳守、失敗しても叱らないといった環境から、仕事に対してやりがいを感じにくいです。

ホワイトすぎる企業だとやりがいがないという口コミ2ホワイトすぎる企業だとやりがいがないという口コミ

ホワイト企業は、労働環境を重視して働きやすい環境を提供する傾向がありますが、その結果、仕事の自由度が制約される場合が多いです。
裁量の大きい仕事を任せると忙しくなり、労働時間が長くなる原因になりかねないからでしょう。

そのため、自分のアイディアを自由に実践したりプロジェクトに自己の取り組みを反映させたりすることが難しく、やりがいを感じにくいかもしれません。

良くも悪くも、失敗しにくいルーチンワークや単純作業になる可能性が高いため、達成感も少ないと考えられます。

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理由②:知識や技術を活かせる機会が少ないため成長できない

ワークライフバランス重視のホワイト企業はアウトプットや成長の機会が失われやすい

前述したように、ホワイトすぎる企業では仕事の裁量が限定されるため、あなたの知識や技術を活かす機会も少ないです。
このように成長できない環境となってしまうため、「将来のために成長したい」と考える人は辞めていくのでしょう。

ホワイトすぎる企業だと、成長できないという口コミ

実際、経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学の調査では、若手社員の会社を辞めたい理由では「成長や昇進の見込みがないから」という理由が上位にあがっています

「昇給の見込みがないから」40.9%、「休みがとりづらいから」29.5%、「成長や昇進の見込みがないから」27.3%と続きました。

引用:PR TIMES「株式会社識学【新卒入社3年未満の若手社員の“働き方に関する調査”】」

ワークライフバランスを重視する企業では、社員のストレスを軽減し、働きやすい環境を提供することが主な目標としているケースも多いです。
そうなると、新しいプロジェクトや挑戦の機会が限られてしまい、成果を上げたりリーダーシップを発揮するチャンスが失われてしまいます

このように、仕事の専門性が限定され、キャリアアップのチャンスが限られる場合や新しいプロジェクトや挑戦の機会が少ないことがホワイト企業なのに退職者が多い要因として挙げられます。

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理由③:周りの社員の士気が低くモチベーションを保てない

ホワイト企業はやる気のない人が集まりやすい場合もある

ホワイトすぎる企業の場合、働きやすい環境ゆえに“やる気のない人”が集まる傾向にあります
その結果、従業員の士気が低くなりモチベーションを保てなくなる可能性が高いです。

ホワイト企業にやる気のない人が増えていると感じる人も多いです。

ホワイトすぎる企業だと、周りにやる気がない人が多いという口コミ ホワイトすぎる企業だと、周りにやる気がない人が多いという口コミ2

ワークライフバランスを重視する企業であっても、キャリアや職務に対する熱意が薄い社員が増えると、成長志向の人はやがて退職を考えるのでしょう。

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理由④:仕事がゆるいため会社の将来が不安

仕事がゆるいホワイト企業だと社員のモチベーションが低下して組織が弱体化しやすい

仕事がゆるいことから、会社の将来性に不安を感じる人も多いです。

仕事がゆるいと社員のモチベーションが低下し、生産性が低下する要因になりかねません。そして段々と企業の業績が低下し、競争力が失われる可能性があります。

特に競争や変化の激しいWeb業界だと効率的な運営が求められるため、低い生産性は将来的な不安要素となります。

ホワイトすぎる企業だと将来性が不安という口コミ ホワイトすぎる企業だと将来性が不安という口コミ2

また、「仕事にやりがいを感じない」という話につながってきますが、仕事がゆるすぎると成長意欲のある優秀な社員が他の企業に転職する可能性も高くなるでしょう。
優秀な人材が退職すれば企業のパフォーマンスも低下。長期的にはやる気がない人が会社に残り、衰退していく可能性が高くなるというわけです。


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入社してもすぐ辞めるホワイトすぎる企業の特徴

退職者が多いホワイト企業の特徴が次のとおり。

  • 新しい事業やサービスを展開していない
  • 評価制度が整っていない
  • 会社の業績が伸びていない
  • 副業をしている人が多い
  • 離職率が30%以上と高い

現在転職活動を行なっている方なら、新規事業の展開や評価制度については面接で質問してみるといいでしょう。

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新しい事業やサービスを展開していない

退職者が多いホワイト企業は既存ビジネスに固執する傾向がある

退職者が多いホワイト企業の特徴の一つとして、新規事業や新規サービスを展開していないことが挙げられます。
こういったホワイト企業は既存のビジネスモデルに固執し、新しいアイデアや技術を導入する意欲が低い傾向があるからです。

今は事業が順調でも、限られた事業・サービスだけだと市場の変化に対応できなくなり競合他社との差別化が難しくなるでしょう。

市場の変化やリスクを分散することができないため、社員は安定性やキャリアの発展に不安を抱いていきます。

転職を考えている方は、応募先企業の事業のバリエーションや新規事業への取り組みについて調べてみるといいでしょう。

評価制度が整っていない

退職者が多いホワイト企業はsが整っていないことがある

「社員を数字で評価したくない」「ゆるい社風のため評価制度が設けられていない」などの理由から、評価制度が整っていないのも辞める人が多いホワイト企業の特徴。

評価制度が整っていないと“正当な評価”を受けられないため、上司の気分や相性のいい人、仲のいい人ばかりが評価される可能性があります。
また、結果を出していない人が“ごますり”をして、不当な評価を得るケースも考えられます。

このような企業だと、どんなに仕事を頑張って成果を出しても正当な評価を受けられないため、本当に能力がある人がどんどん辞めてしまうというわけです。

会社の業績が伸びていない

退職者が多いホワイト企業は業績が伸びにくい傾向にある

業績が伸びていない企業は、新規プロジェクトや事業の展開が限られている場合があります。
競争や変化が激化している市場で、成長しない企業は競合他社に取り残されかねません

こういった先行き不透明な企業だと社員も不安になってしまい、働きやすい環境でも退職者が増えてしまうでしょう。

副業をしている人が多い

退職者が多いホワイト企業は副業をする人が多い

近年、多くの人が本業のかたわらで副業を行う傾向がありますが、ホワイト企業での副業の多さは退職者数に影響を与える要因の一つ。

働きやすい環境でも個人のスキルやアイデアを活かす機会が少ないことが原因で、多くの社員が副業を行なっている可能性があるからです。

その他、副業が原因で本業に十分に専念できないことで成果や評価が出にくくなり、社内の士気が下がっていくことも退職者が多くなる原因として考えられます。

離職率が31%以上と高い

退職者が多いホワイト企業退職者が多いホワイト企業は離職率が31%以上と高い傾向にある

構成労働書の調べでは、新卒入社3年以内の平均離職率は31.2%。そのため、働きやすいホワイトな環境なのに、離職率31%以上の企業は注意が必要です。

ホワイト企業なのに離職率が平均よりも高いということは、上述のように「やりがいがない」「成長できない」「将来性が不安定」などの問題点があると考えられるからです。

一方で、離職率が30%以下であれば退職者の少ないホワイト企業の可能性が高いことになります。

転職で離職率を知る場合は、最終面談で「この業界の離職率と比較して、御社の離職率はどのような傾向にありますか?」などと質問してみるといいでしょう。

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現場のリアルの状況を知るなら、転職エージェントに相談するのが効率的。転職エージェントのアドバイザーは企業と情報交換を行なっているため、社内環境や業務の進行方向、社員の人柄などを知っているからです。

企業の面接官に直接質問しにくい「離職率」「業績」についても、企業によっては担当アドバイザー経由で知ることができるかもしれません。

こういった点から、担当アドバイザーに相談すれば入社前に長く働けるホワイト企業かどうかを見分けられます

退職者が多いホワイト企業に入社したくないなら、転職エージェントに社内状況を聞いてみるのが賢明と言えます。

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今回解説したように、ホワイトすぎる企業に入社しても「やりがいを感じない」「成長できない」「周りの士気が低い」などの理由ですぐに辞める可能性が高いです。

「働きやすい」と一言で言っても、働きやすいと感じる点は人それぞれ。
まずはあなたが【仕事で重視している点(成長、やりがい、ワークライフバランスなど)】を考えてみましょう。

その働き方の価値観を軸に働きやすい企業を探すことで、満足のいく職場で働き続けられるはずです。

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