フルリモートの会社への転職を考えている人のために、フルリモートワークのメリット・デメリットを解説。
フルリモートは好きな場所で働けたりワークライフバランスを維持できるたりする一方で、「つらい」「しんどい」といった声があるのも事実です。
実際にフルリモートで働いたことがある人の口コミを項目ごとで紹介しつつ、どのような人に向いているのかを考察していきます。
フルリモートの会社への転職を考えている人は参考にしてください。
転職UPPPライター
T.F氏:30代前半
ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。
利用した転職サイト
リクルートエージェント、リクナビNEXT、Green、Wantedly、VISIONARY
フルリモートワークとは?
フルリモートワークとは、従業員が会社に“完全に”出社することなく自宅や好きな場所から仕事を行う業務形態。
会社の行事や重要な会議などを除いて、出社の必要がありません。
会社に出社することなく働けるため、働く場所に縛られたくない人やワークライフバランスを重視する人から注目されています。
2020年の新型コロナウイルスの大流行が、オフィスに依存しない働き方の必要性を企業に強く認識させました。
従業員のワークライフバランスの向上や地域を問わずに優秀な人材を採用するというメリット、近年の技術の進化や働き方改革の流れもフルリモートワークの普及を後押ししています。
出典:NRI「2022年の日米欧のテレワーク状況と将来展望」
野村総合研究所の調査によると、テレワーク対象者は2020年に一気に増加し2022年まで緩やかに減少。
テレワーク対象者率は減少しているものの、2022年12月時点では新型コロナウイルス流行以前の2019年よりも対象者率は3倍以上あります。
こういったデータから、現在ではフルリモートという働き方が浸透してきたと考えられるでしょう。なかには、テレワーク研修を実施してテレワークの受け入れに積極的な会社も多くあります。
テレワークや在宅勤務との違い
テレワークは「tele(遠距離)」と「work(働く)」、リモートワークは「remote(遠隔)」と「work(働く)」を組み合わせた造語。
大きな違いはないため、求人票に「テレワーク」「リモートワーク」と記載されていればオフィス以外の場所で仕事ができるという認識で大丈夫です。
強いていえば、フルリモートは“完全に”出社の必要性がありませんが、テレワークは企業によって「週に○日は出社」と出社日数が決められている場合があります。
フルリモートワーク
完全に出社しない勤務形態。自宅以外の場所でも業務可能
リモートワーク/テレワーク
基本は出社なしの勤務形態。完全リモートではないため、出社日数が決められている企業もある
在宅勤務
自宅で働ける勤務形態。ただし、カフェといった外出先での業務を禁止している企業もある
ただし「在宅勤務」はその名の通り自宅で働くことなので、オフィスと自宅以外での業務を禁止している企業もあります。
これは自宅以外の場所での業務による情報漏洩を防ぐためでしょう。
コワーキングスペースやカフェなど、自宅以外の場所でも働きたい方は「フルリモート」と求人票に記載されているかをチェックしてください。
「リモートワーク=在宅勤務」という認識の企業も少なくありません。完全リモートワークの会社に転職したい方は、最終面談の際などに、働き方について質問するといいでしょう。
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フルリモートの会社に転職する5つのメリット
フルリモートワークの会社に転職することで、次のようなメリットを得られます。
- 好きな場所で働くことができる
- 通勤の手間やストレスがない
- 人間関係のトラブルが少ない
- ワークライフバランスを保ちやすい
- 生産性が向上しやすい
メリット①:好きな場所で働くことができる
フルリモートワークの最大の魅力は、働く場所の自由度の高さ。
単に自宅で働けるということだけでなく、コワーキングスペースやカフェ、さらには地方や海外など場所を問わず働くことができます。
「地方に在住しながら、リモートで都市部の企業で働く」という働き方も増えてきました。
コワーキングスペースやカフェといった好きな場所で仕事をすることには、次のような利点があります。
- 新しい環境によってアイディアや生産性を刺激できる
- 日常のルーチンから離れることで、新しい視点やアイディアが生まれやすくなる
- コワーキングスペースでは、異なる業界のプロフェッショナルたちとの交流の機会が増える
カフェでの勤務も、リラックスした雰囲気の中で集中して作業を進めることができるため多くのリモートワーカーから人気。
また、好きな音楽を聴きながらお気に入りのドリンクを手元に置いて作業することで、ストレスを感じにくくなるという声も多く聞かれます。
このように、フルリモートワークは働く場所を自由に選べる上に、その場所に応じた様々な利点を得ることができるというわけです。
メリット②:通勤の手間やストレスがない
現代の働き方の中でフルリモートワークが注目される理由の一つが、通勤の手間やストレスがないこと。
通勤時間帯の混雑した電車やバス、長時間の通勤時間、そしてそれに伴う疲労は日常のストレスの大きな原因となっています。
実際、通勤によるストレスが減ることで、次のようなメリットがあると研究でわかっています。
- 仕事の満足度の向上
- プライベートの満足度の向上
- 生産性の向上
また、フルリモートで働くことで自由な時間が増えるのも魅力。
通勤時間だけでなく、会社に行くための着替えやメイクも必要なくなるためその分時間に余裕が生まれます。
たとえば、仕事の日の朝、起きてから家を出るまでに1時間必要だったとしましょう。
通勤時間が40分だとすると、朝だけで1時間40分も時間に余裕が生まれるというわけです。
その分の時間を、趣味などに当てることでプライベートの充実度が高まるはずです。
メリット③:人間関係のトラブルが少ない
フルリモートの会社に転職すれば他の従業員と直接顔を合わせることがなくなるため、面倒な人間関係によるトラブルがほとんどありません。
「人付き合いが苦手で、人間関係のトラブルが面倒」と感じている人なら、これは大きなメリットでしょう。
フルリモートワークでは物理的な距離があるため、日常的な会話による些細な摩擦や対面での直接的な衝突が少なくなるからです。
この結果、職場の人間関係におけるストレスやプレッシャーが軽減され、より冷静に業務に取り組めるようになります。
フルリモートワークの会社では結果を重視される傾向にあるため、無駄な競争や妬みといった感情が生まれにくくなるのも利点。
面倒な人間関係を気にすることなく、仕事に集中することができます。
メリット④:ワークライフバランスを保ちやすい
フルリモートワークによって通勤時間や通勤の準備時間がゼロになるので、その分の時間を趣味や家族などのプライベートな時間に充てることができます。
またフルリモートワークでは、自分の最も生産的な時間帯に合わせて仕事を進めることができます。
朝型の人は早朝に、夜型の人は夜遅くに作業を行うことができるため、自分のリズムに合わせて効率的に業務を進めることが可能です。
フルリモートの会社なら、「仕事を早く終わらせて趣味に没頭する」「仕事前はゆっくり映画を見ながら朝食」といった働き方が期待できます。
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メリット⑤:生産性が向上しやすい
フルリモートによって仕事に没頭でき、生産性が高まるというのもメリットもあります。
テレワークによる生産性向上の研究でも、「テレワークによって集中できる時間や機会が増加したことで生産性向上に貢献した」という結果が出ています。
テレワーカー個人の生産性については,テレワークの実施により,業務に集中できる時間や機会が増大し,定型的業務・創造的業務の違いに関係なく,その状況が生産性の向上に貢献していることがわかった。
上述した通り、フルリモートでは自分の好きな環境で仕事をすることが可能。
気分に合わせたいつもと違う場所で好きな音楽を流しながらの作業は、ストレスを軽減しより高いパフォーマンスを発揮できるのでしょう。
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フルリモートの会社の3つのデメリット
フルリモートの会社に転職する前に知っておくべきデメリットが以下の通りです。
- 仕事とプライベートとの区切りが難しい
- コミュニケーション不足で孤独感を感じやすい人はつらい
- 仕事の評価や成果が伝わりにくい
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デメリット①:仕事とプライベートとの区切りが難しい
フルリモートのデメリットの中でも特に顕著なのが、仕事とプライベートの境界が曖昧になること。
従来のオフィスワークでは物理的なオフィス空間が仕事の場所として機能し、家はプライベートな時間を過ごす場所としての役割を果たしていました。
しかし、フルリモートワークの場合は仕事は家で行われるため、この境界が曖昧になりがちです。
また、オフィスを出ることで一日の仕事が終わったという感覚が得られるのに対し、家でのリモートワークでは終業時間を過ぎてもメールのチェックや業務の続行をしてしまうことが多くなります。
意識的に仕事の時間と休憩時間を設定することや、仕事をする場所・作業スペースを確保することがフルリモート環境で仕事とプライベートを区別する上で大切です。
デメリット②:コミュニケーション不足で孤独感を感じやすい人はつらい
フルリモートは会社に出社しないため、コミュニケーションが減少。
特に社交的な性格の人や人とのコミュニケーションを重視する人は、孤独感や孤立感を強く感じることがあります。
このような感情が長期間続くと、モチベーションの低下やメンタルヘルスの問題を引き起こすリスクがあるため注意が必要。
フルリモートの会社への転職を考えているなら、あなた自身の性格や働き方の傾向を理解することが重要です。
孤独感が強まるため“うつ病”になる危険性がある
前述のとおりフルリモート環境では孤独感が強まるため、うつ病を引き起こすリスクが高まると言われています。
孤独感だけでなく、フルリモートによる次のような点もうつ病発症の原因。
- 「自宅=安らげる場所」から「自宅=仕事場」になってしまい、リラックスできなくなる
- 人と関わらなくなったために孤独感が増した
- 家に一人でいることが多くなり、ネガティブなことを考える時間が増えた
- スタッフとのコミュニケーションが減り、「自分は会社に必要ないのではないか」と考えるようになった
- 家にいると仕事をしている実感がない
- 漠然とした将来の不安を抱くようになった
フルリモートワークとはいえ自宅に引き篭もるのではなく、定期的に友人や会社の人と交流することが大切。
また、仕事の時間を決めてプライベートとの区切りを明確にし、趣味などに没頭するのもおすすめです。
デメリット③:仕事の評価や成果が伝わりにくい
フルリモートの場合、仕事中の様子などがわからないため評価が伝わりにくい傾向にあります。
完全に成果物だけでの評価になるため、それまでの業務に対する姿勢や取り組みといったプロセスが評価されにくいというわけです。
極端な話、サボっていても振られた仕事“だけ”をやっていれば評価される人がいる可能性もあるでしょう。
フルリモートワークでは多くのコミュニケーションがオンラインツールを通じて行われるため、対面でのコミュニケーションによる微妙なニュアンスが伝わりにくいという問題が生じます。
これにより、自身の業務の成果や努力が正しく評価されない、または誤解される可能性も高まります。
フルリモートの会社では定期的な報告やコミュニケーションの機会を増やすなど、自身の業務の進捗や成果を伝える方法を工夫することが求められます。
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フルリモートの会社が向いている人
ここまで解説してきたフルリモートワークのメリット・デメリットから分かる、フルリモートが向いている人の特徴をまとめました。
- タイムマネジメントができる人
- 一人でもくもく仕事に取り組むのが向いている人
- 気分によって働く場所を変えたい人
- 自宅から会社までが遠く、通勤時間がかかる人
- 趣味などのプライベートな時間を増やしたい人
- 人と直接やりとりするのが苦手な人
- 適度に友人や会社の同僚と会っている人
タイムマネジメントや自己管理能力が高い人にとっては非常に適しています。
自宅や好きな場所での作業は自分自身での時間管理やタスクの優先順位付けが求められるため、タイムマネジメントができる人はフルリモートの環境での生産性を最大限に引き出すことができるでしょう。
また、独立性や自主性を重視する人も、フルリモートの会社に向いています。
オフィスの制約や常に目の前にいる上司や同僚からの直接的な監督がない環境で、自らの判断で業務を進めることができるため自分の裁量で仕事を進めることを好む人には最適です。
上記に該当する方は、フルリモートの会社への転職することで今以上に快適に働けて活躍できるでしょう。
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フルリモートワークは、近年の技術の進化と働き方の多様性を求める声の高まりによって、多くの企業や職種で導入されています。
しかし、フルリモートワークが一般的に良いとされるからといって、すべての人に合うわけではありません。
実際には個人の性格や仕事のスタイルによって、フルリモートワークの適性は大きく変わることがあります。
自己管理能力が高く、自分自身での計画やスケジュール管理が得意な人ならフルリモートの環境で快適かつ効率的に働くことができるでしょう。
今回解説したフルリモートのメリット・デメリットを参考に、フルリモートの会社への転職を検討してください。
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参考サイト
- 国土交通省「 テレワーク人口実態調査 -調査結果の概要-」
- 厚生労働省「テレワーク導入状況」
- NRI「2022年の日米欧のテレワーク状況と将来展望」
- ザイマックス総研「通勤ストレスがワーカーの満足度に与える影響」
- CiNii「テレワーカーの生産性と信頼」
- 社会医療法人博友会「コロナ禍でなぜ「テレワークうつ」が急増?原因や特徴を解説」
転職UPPPライター
T.F氏:30代前半
ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。
利用した転職サイト
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