転職したいけどスキルがない20代・30代・40代へ|未経験から採用されるコツ

「転職したいけれど、特別なスキルや資格がない自分にできる仕事はあるのだろうか」と感じて、なかなか一歩を踏み出せない方は少なくありません。

しかし実際には、未経験者を積極的に採用する企業や、経験を重ねながら成長できる職場は、業界や職種によっては多く見られます。

重要なのは、スキルがないことをマイナスに捉えるのではなく、採用されやすくなるための戦略や行動を知ることです。

この記事では、転職したいけどスキルがない人が採用されやすくなる方法や注意点、転職活動をスムーズに進めるためのポイントを詳しく解説します。

この記事でわかること
  • スキルがない未経験分野への転職成功率
  • 年代別の転職成功ポイント
  • 採用されやすくなる戦略とスキル習得法
  • 転職活動で避けたい失敗パターン

転職UPPP編集部ライター T氏:30代前半

転職UPPPライター
T.F氏:30代前半

ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。

運営会社情報

  • 運営会社:UPPGO株式会社
  • 所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田7-20-9 KDX西五反田ビル5F
  • 有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-313755
  • プライバシーマーク登録番号:第21004733(02)号
  • お問い合わせ:contact@tenshoku-uppp.com
目次

転職したいけどスキルがない…。やっぱり転職は難しい?

スキルがない場合でも、転職は十分に可能です。

リクルートエージェントの調査では、「異業種×異職種」に転職した人の割合は20代前半は53.5%、20代後半は42.8%と報告されています。

これは、若いうちはポテンシャル採用が重視され、入社後に育成する前提で採用する企業が多いためです。

20代だけでなく、下記の通り、意外にも30代や40代も「異業種×異職種」の転職を実現している人は多くいます。

年齢が上がるにつれて同職種への転職割合が高くなるものの、30代前半では35.7%、30代後半では31.4%、40歳以上の場合でも25.8%が、未経験の業種・職種への転職を実現していることがわかります。

※引用:リクルートエージェント「「転職したいけどスキルがない…」未経験でも転職できる人、採用されやすい仕事とは?」

30代以降は割合が下がるものの、3割前後の人が未経験転職を成功させています。この背景には、これまでの経験や実績が「別の職種でも応用可能」と評価されるケースが考えられます。

たとえば、営業で培った交渉力を企画職に生かす、接客で身につけた顧客対応力をカスタマーサポートに活かすなどです。

40歳以上になると割合は25%台にとどまりますが、それでも4人に1人は新しい分野へ踏み出しています。この年代では、マネジメント経験や業務改善の実績といった高度なスキルが評価される傾向があります。

また、人材不足の分野や即戦力を求める成長産業では、年齢よりも経験の中身や人間性を重視する企業も少なくありません。

つまり、「スキルがないから転職は無理」というわけではありません。大切なのは、これまでの経験を棚卸しし、企業が求めるスキルや適性に置き換えて伝えることです。

本当にスキルがない?スキルがないと感じる原因

本当にスキルが全くない人は、ほとんどいません

多くの場合、「スキルがない」という思い込みは、スキルそのものが不足しているというよりも、自分の経験や能力を正しく認識できていないことから生まれます。

その主な理由には、次のようなものがあります。

「スキル」を資格や高度な専門技術に限定して考えてしまう

接客で培ったコミュニケーション力、事務作業で身につけた正確さや段取り力も職務スキルの一部ですが、日常業務で自然に身につくためスキルと感じにくい場合があります。

他人との比較で自信を失ってしまう

周囲に専門職や高度な技術を持つ人が多いと、自分の強みが相対的に小さく見えて「何もできない」と思い込みやすいです。
しかし企業が評価するのは専門スキルだけでなく、職場の人間関係を円滑にする力や、新しい業務を吸収する柔軟性なども含まれます。

経験を別の仕事に応用する視点が欠けている

たとえば、「販売職での在庫管理経験は、事務職や物流業務にも活かせる」というように、視点を変えることで眠っていたスキルが見えてくることがあります。

大切なのは、スキルを資格や専門技術だけに限定せず、「これまで自分がやってきたこと」を幅広い視点で棚卸しすること。そうすることで「スキルがない」という思い込みは薄れ、転職の選択肢も大きく広がります。

【年代別】転職したいけどスキルがない人が転職を成功させるポイント

年代によって、未経験分野への転職で求められる強みやアピール方法は異なります。

ここでは、20代・30代・40代それぞれの特徴を踏まえ、スキルがないと感じる人でも転職を成功させるためのポイントを解説します。

スキルがない20代の転職対策

20代は、スキルがないと感じていても転職のチャンスが大きい年代です。

その理由は、企業が20代に対して経験よりもポテンシャルや意欲を重視する傾向が強いからです。
※出典:マイナビAGENT「20代の転職を成功させるには?求められる能力や転職のポイント、進め方を紹介!」

社会人経験が浅い分、柔軟性や吸収力が評価されやすく、入社後の育成を前提とした採用枠も多くあります。

ただし、何も準備せずに応募してしまうと、他の求職者との差別化が難しくなります。短期間でも行動して「成長意欲」や「学ぶ姿勢」を示すことが重要です。

転職したいけどスキルがなくて不安な方は、まずは以下のようなことに取り組んでみてください。

  • 学生時代やアルバイトで達成したことを3件程度書き出し、数値や成果で示す
    (例:売上目標120%達成、イベント運営で参加者満足度90%以上)
  • Excel、Word、メールマナーなどの基礎スキルを習得する
  • 「研修制度あり」「未経験歓迎」の求人を検索し、興味のある業界・職種を3〜5つに絞る
  • ITパスポートやMOSなど短期間で取得できる資格に挑戦し、学習意欲を可視化する
  • 面接で「入社前に資格取得予定」「関連分野の学習を開始」など具体的な成長意欲を伝える

20代は「これから何をしていける人材か」という未来志向で見られることが多い年代です。

経験やスキルに自信がなくても、強みの整理と短期的なスキル習得、そして行動力を示すことで採用の可能性を大きく高められます。

関連記事

今回は、20代におすすめの転職サイトを紹介。おすすめ転職サイトを求人数・特徴・年収アップ実績などで一覧比較しているので、あなたの転職希望にマッチする転職サイトを見つけやすいと思います。また、20代前半・後半や男女別、未経験な[…]

20代におすすめの転職サイト比較ランキング。男女別、前半後半、高卒・第二新卒向けも紹介
関連記事

当記事は転職の家庭教師/キャリアコンサルタントの丸井沙紀様に寄稿いただいております。社会人となり数か月から数年。 「辞めたい」 「思っていた仕事と違った」 「今の会社が合わない」と悩む方も多いと[…]

スキルがない30代の転職対策

30代は、スキルがないと感じていても転職の可能性は十分にあります。

ただし即戦力性や再現性を重視されるため、経験や実績を企業の求める形に変えて伝える準備が必要。まずは、次の5つの対策から着手しましょう。

  • 過去の業務で達成した成果を数値や事例で整理し、職務経歴書に反映する
  • 現職または前職で培ったスキルを、応募先の業務にどう活かせるかを明確にする
  • 管理経験やチームリーダー経験がある場合は、人数・期間・成果を具体的に示す
  • 業界知識を深めるために関連ニュースや専門書を継続的にチェックする
  • 転職エージェントを活用し、自分の経験を市場価値に置き換えてもらう

これらの対策は、単なるアピールの材料作りではなく、30代の強みを即戦力として企業が評価しやすい形に変える作業です。

たとえば、成果の整理では「売上を前年比15%伸ばした」「在庫管理の改善で作業時間を1日あたり2時間短縮」など、数字や具体的な改善点を盛り込みます。こうすることで、応募先が自社での活躍をイメージしやすくなります。

また、スキルの活かし方を明確にするには、応募先の求人票を分析し、求められている能力や経験に自分の経歴を照らし合わせることが必要です。

管理経験があれば「何人のチームをどの期間率いたのか」「どんな成果を出したのか」まで具体化すると説得力が増します。

30代は20代に比べると即戦力性を求められる分、準備の質が結果を左右します。しかし、正しい整理と戦略を持てば、スキル不足を感じていても魅力的な候補者として評価される可能性は高まります。

関連記事

今回は、30代向け転職サイトのおすすめランキングを紹介。転職サイトごとに求人数・特徴・年収アップ実績を比較して紹介しています。「30代からの転職は厳しい」という世間体から、転職を迷っている方は多いのではないでしょうか。リクルート[…]

30代におすすめ転職サイト比較ランキング。男女別・前半後半・未経験・職種別も紹介

スキルがない40代の転職対策

40代の転職では、これまで積み上げてきた経験や人脈が最大の武器になります。

ただし、採用側は「即戦力性」「業務の再現性」「組織への適応力」をより重視する傾向があります。そのため、これまでの経験や役割を具体的な形にして提示することが不可欠です。

まずは次の5つの対策から始めましょう。

  • 管理職やリーダー経験を人数・期間・成果とセットで具体的にまとめる
  • 過去の業務改善や問題解決の事例を、数値や成果物で提示する
  • 成長分野や人材不足業界への転職も視野に入れる
    (例:介護、ITサポート、物流、建設管理など)
  • 新しい業務に対応できる柔軟性を示すため、資格取得やオンライン講座で知識を補強する
  • 転職エージェントや専門職向けサービスを活用し、経験を市場価値に置き換えてもらう

40代の転職では、過去の役職や肩書きだけでは評価が難しい場合があります。

たとえば「課長職として10名を率いた」だけではなく、「新規顧客開拓で売上を前年比20%増加させた」「在庫管理システムを導入して年間○時間の業務削減に成功した」など、成果まで踏み込んで提示することが重要です。

また、成長分野や人材不足業界は、年齢よりも経験の中身や即戦力性を重視する傾向があります。介護業界ではマネジメント経験が活かせますし、ITサポートや建設管理では調整力やスケジュール管理力が評価されやすいです。

さらに、新しい知識や資格を取得する姿勢は「変化に適応できる人材」という印象を与えます。

40代だからこそ持っているキャリアの長さと実績を相手が評価しやすい形に整えることが、採用への近道です。

関連記事

今回は、40代の転職におすすめの転職サイトを紹介。編集部がイチオシする、“まずは登録しておきたい”40代向け転職サイトランキングBEST3も紹介しています。ページ後半では、40代の転職事情や平均年収についても解説。実際、40代からの[…]

40代におすすめの転職サイト比較ランキング。男女別、未経験、ハイクラス・高収入向けも紹介

スキルがない人が採用されやすくなるための3つの戦略

採用されやすくなるためには、経験や資格だけでなく、応募の進め方やアピール方法にも工夫が必要です。

以下では、スキルがないと感じる人でも選考通過率を高められる3つの戦略を紹介します。

  • 転職エージェントを使ってエージェントからアドバイスをもらう
  • 未経験歓迎が多い業界・職種を狙う
  • 独自性を見つけてアピールする

転職エージェントを使ってエージェントからアドバイスをもらう

スキルに自信がない場合こそ、転職エージェントの活用が有効です。

その理由は、エージェントがあなたの経歴や強みを客観的に整理し、企業が評価しやすい形に整えてくれるからです。

自分では「特別なスキルではない」と思っていた経験が、第三者の視点で見るとアピールポイントになることは珍しくありません。

また、転職エージェントは求人票だけではわからない企業の内部情報や選考傾向を持っています。これにより、書類や面接での伝え方を応募先ごとに最適化でき、選考通過率の向上が期待できます。

さらに、応募先との条件交渉や面接日程の調整なども代行してくれるため、転職活動の負担を減らしながら戦略的に進められます。

大切なのは、経歴や希望条件を率直に伝え、疑問や不安も遠慮せず相談すること。そうすることで、あなたに合った求人提案や的確なアドバイスを受けやすくなります。

関連記事

今回は、転職エージェントのデメリット・メリットについて解説します。ネット上では「転職エージェントはやめとけ」といった声も見かけますが、ネット上のすべての情報が正しいとは限りません。この記事では、体験談から読み解ける懸念点やエ[…]

転職エージェントのデメリット・メリット。「やめとけ」と言われる理由・ 失敗しない選び方・デメリットを最小限にする使い方まで解説

未経験歓迎が多い業界・職種を狙う

スキルに自信がない場合は、未経験歓迎の求人が多い分野を狙うことが効果的です。

これらの分野は、入社後の研修制度やOJTが充実している傾向があり、経験のない人でも戦力化しやすい環境が整っています。

職種未経験者歓迎の求人が多い職種と、全求人に占めるその割合は以下の通りです。

未経験歓迎の求人が多い業界

  • IT業界
  • 不動産業界
  • 製造業界
  • 介護・福祉業界
  • 人材業界

職種未経験者歓迎の求人が多い職種とその割合

  • 美容・ブライダル・ホテル・交通:88.6%
  • 販売・フード・アミューズメント:88.5%
  • 保育・教育・通訳:86.6%
  • 技能士・設備・配送・農林水産 他:83.5%
  • 公共サービス:83.5%

※出典:マイナビ転職「未経験から転職しやすい職種・業種は?企業は未経験者に何を期待してるん?」

未経験歓迎が多い業界や職種では、採用時に「過去の経験」よりも、これからの成長可能性や適性を重視する企業が多いです

そのため、専門スキルよりも学ぶ姿勢や柔軟性、コミュニケーション力といったポータブルスキルが評価されるでしょう。

また、上記の業界・職種で未経験歓迎の求人が多いのには次のような理由が挙げられます。

  • 慢性的な人手不足
  • 市場拡大や成長スピードの速さ
  • 業務スキルを入社後に習得できる

そして、未経験でも応募しやすい分野の求人なので、競争率が高いのも実情。多くの人が応募しやすいため、志望動機や自己PRの質で差をつける必要があります

応募の際には、なぜその業界・職種を選んだのか、入社後にどのように成長していくつもりかを具体的に伝えることが重要です。

関連記事

当記事はinit株式会社代表の山田卓様に寄稿いただいております。筆者自身は元々エンジニアリング未経験の法人営業でしたが、独学で「約1年間」の期間と「合計1,000時間」の学習を経てスマホアプリエンジニアになりました。当時、未[…]

init株式会社代表/スマホアプリエンジニアの山田卓さんが限定公開!未経験からITエンジニアに転職するためのポイント

独自性を見つけてアピールする

スキルに不安があっても、独自の経験や視点をアピールすることで採用の可能性は十分にあります。

企業は必ずしも専門スキルだけを求めているわけではありません。採用時に重視されるのは、「他の応募者にはない価値を持っているか」「組織に新しい視点や強みをもたらせるか」という点も評価するでしょう。

独自性とは、大きな成果や特別な才能だけを指すものではないです。これまでの経験や日常的に行ってきた工夫、周囲から評価された行動も立派な強みです。

たとえば、接客で顧客から指名され続けた経験、在庫管理の改善で作業時間を短縮した工夫、社内外の調整役としてトラブルを防いだ実績などは、十分なアピール材料になります。

重要なのは、その経験を応募先の業務にどう結びつけてアピールするかということです。

単に「コミュニケーション力があります」と述べるのではなく、「〇〇の経験を通じて培った対応力を、顧客対応や社内調整の場で活かせる」と具体化することで採用担当者の印象に残りやすくなります。

関連記事

今の会社しか知らないから不安 もし今転職をすることになったら自分は他の会社から求められるのだろうか? 市場価値はあるのだろうか?と不安になったことはありませんか?そもそも市場価値は、何でどうすれば[…]

転職の家庭教師/キャリアコンサルタントの丸井沙紀さんが教える市場価値を高める方法。転職における市場価値を決める要素、診断方法も解説

スキルを身につけながら転職活動を進める方法

転職活動と同時にスキル習得を進めることで、応募先の選択肢が広がり、選考での評価も高まりやすくなります。

以下では、その具体的な方法を紹介します。

短期のオンライン学習講座を活用

スキルに自信がないと感じる場合は、短期のオンライン講座を活用することが効果的です。

短期間で学べる講座は、転職活動と並行して取り組みやすく、成果を早く形にできます。

近年は、PCスキルやビジネスマナー、業界別の基礎知識などを学べる無料コンテンツが増えており、数時間から数日で修了できるものも多くあります。

オンライン講座の強みは、時間や場所に縛られず、自分のペースで学習できる点。通勤時間や休日の隙間時間を使えば、職務経歴書や面接で「学習中」とアピールできる要素が手に入ります。

また、学んだ内容を成果物として残せば、ポートフォリオや自己PRの裏付けにもなります。

たとえ短期間の学習でも、方向性が明確であれば、採用担当者に「入社後も成長し続けられる人材」という印象を与えられます。

副業でスキルを磨く

スキルを短期間で実践的に磨くには、副業を活用する方法も有効です。

副業は、座学だけでは得られない「現場での経験」を積む機会になります。実際の業務を通じて学んだことは知識として定着しやすく、応募先への自己PRにも具体的な事例として盛り込みやすくなります。

近年はオンラインでできる業務委託やスポットワークの案件が増えており、未経験から挑戦できる分野も少なくありません。たとえば、次のような仕事があります。

  • データ入力
  • 記事作成
  • SNS運用
  • 簡単なデザイン制作

これらは平日の夜や休日の短時間でも取り組めるため、本業や転職活動と両立しやすいのが特徴です。

重要なのは、副業を単なる収入源としてではなく、キャリアに直結するスキル習得の場として捉えること。

応募先の業務に関連する分野を選び、成果物や実績を残せば、それが信頼性のあるポートフォリオとなります。

セミナーやワークショップに参加する

スキルを効率よく身につけたいなら、セミナーやワークショップへの参加もおすすめです。

こうした場は短時間で実践的な知識や技術を学べるだけでなく、講師や参加者との交流を通じて新しい視点や情報を得られるのが特徴。

特にワークショップでは、ただ話を聞くだけでなく、自分で手を動かしながら学ぶため理解が深まりやすくなります。

また、セミナーやワークショップの参加経験は、履歴書や職務経歴書に記載できる立派な学習実績になります。

たとえば「〇〇セミナー受講」「△△ワークショップ参加」などと具体的に書くことで、採用担当者に「学び続ける姿勢がある」という印象を与えられます。

さらに、同じ分野に関心を持つ人とつながれるのも大きなメリット。参加者との会話から業界のリアルな話が聞けたり、転職活動で役立つ情報や紹介につながる可能性もあります。

資格を取得する

転職活動中にスキル不足を補う方法として、資格取得は有効な手段です。

資格は学んだ知識を形として証明できるため、採用担当者に「学習意欲が高く、行動に移せる人」という印象を与えます。

資格取得というと長期間の勉強が必要なイメージがありますが、短時間の講習を受けるだけで取得できる資格や、講習+試験で合格しやすい資格もあります。

たとえば、以下の資格は転職活動と並行して挑戦しやすいのが特徴です。

講習を受けて取得できる資格(一部実技評価あり)

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者
  • 刈払機取扱作業者
  • 特定粉じん作業者
  • 倉庫管理主任者
  • 認知症介護基礎研修
  • 認知症サポーター
  • 防災管理者
  • ガイドヘルパー(移動介護従事者)
  • 福祉用具専門相談員

講習+試験がある資格(講習を受けていれば合格しやすい資格)

  • 放射線取扱主任者
  • 小規模ボイラー取扱者
  • 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者
  • 保安業務員

特に介護職や製造業など、志望する分野と関連性のある資格を選べば履歴書や職務経歴書でアピールできます。

転職したいけどスキルがない人は、講習だけ・講習+試験だけで取得できる資格に挑戦するのもおすすめです。

スキルがない人が転職するリスク【30代・40代は特に注意】

スキルがない状態で転職する場合、特に30代・40代ではいくつかのリスクを伴います。

よくあるリスクが以下の通りです。

  • 希望条件に合う求人が見つかりにくい
  • 年収や待遇が下がる可能性がある
  • 年下上司との関係構築に注意が必要

まず、希望条件に合う求人が見つかりにくい点です。未経験可の求人は数自体が限られており、勤務地や勤務時間、給与水準など自分の条件に合う案件を探すのが難しくなります

次に、年収や待遇が下がる可能性も高いです。特にこれまでの業務経験が直接活かせない職種では、給与がそのポジションの最低水準からスタートすることもあり、賞与や昇給の条件も以前より厳しくなるかもしれません。

さらに、年下上司になることもあります。転職先で自分より若い上司の下で働くケースは珍しくなく、その際には柔軟なコミュニケーションと関係構築力が求められます。

スキル習得や業界研究を進めながら、条件面で譲れる部分と譲れない部分を明確にしておくことが、納得のいく転職につながります。

30代におすすめの転職エージェント

関連記事

今回は、30代向け転職サイトのおすすめランキングを紹介。転職サイトごとに求人数・特徴・年収アップ実績を比較して紹介しています。「30代からの転職は厳しい」という世間体から、転職を迷っている方は多いのではないでしょうか。リクルート[…]

30代におすすめ転職サイト比較ランキング。男女別・前半後半・未経験・職種別も紹介

40代におすすめの転職エージェント

関連記事

今回は、40代の転職におすすめの転職サイトを紹介。編集部がイチオシする、“まずは登録しておきたい”40代向け転職サイトランキングBEST3も紹介しています。ページ後半では、40代の転職事情や平均年収についても解説。実際、40代からの[…]

40代におすすめの転職サイト比較ランキング。男女別、未経験、ハイクラス・高収入向けも紹介

スキルがない人がやりがちな失敗と対策

失敗1:希望条件だけで求人を選ぶ

スキルがないまま転職を考えている人は、求人を希望条件だけで選ぶと失敗につながる可能性があります。

給与や勤務地、勤務時間といった条件はもちろん大切ですが、それだけで判断すると、入社後に仕事内容や職場環境が合わず、早期退職のリスクが高まるからです。

特にスキルに自信がない場合、業務内容や育成環境を十分に確認せずに入社すると、成長の機会を逃してしまうことがあります。

社内の情報は求人票だけでは分からず、面接や企業研究、転職エージェントからの情報収集を通じて見極める必要があります。

スキルに自信がないまま転職を進める人ほど、条件面と同じくらい「自分が成長できる環境か」「安心して働ける職場か」という視点を持つことが重要です。

失敗2:自己PRが抽象的

スキルがないと感じている人ほど、自己PRが抽象的なままだと採用担当者に魅力が伝わらず不利になる可能性があります。

「コミュニケーション力があります」「責任感があります」といった言葉だけでは、どのような場面で、どのように発揮された力なのかが相手に伝わりません。

特にスキルがないと感じている場合、具体的な行動や成果を示さないと「印象に残らない応募者」と判断されやすくなります

採用担当者は、応募者が入社後にどう活躍できるかをイメージしながら選考を進めています。そのため、過去の経験や実績を具体的なエピソードで説明することが大切です。

例えば「店舗の接客でお客様アンケートの満足度が90%以上だった」「在庫管理の方法を見直し、作業時間を1日1時間削減した」など、数字や事実を添えることで説得力が増します

自己PRを具体化するためには、まず過去の経験を棚卸しし、「課題や状況・自分の行動・得られた成果」の3点を整理しましょう。

失敗3:企業研究を怠る

スキルがない人ほど、応募先の企業研究を怠ると選考で不利になりやすいです。

理由は、スキルや経験で差をつけにくい分、応募先への理解度や志望理由の明確さが評価の決め手になりやすいからです。

企業研究をしていないと、面接での回答が表面的になり「本当にうちで働きたいのか」という疑念を持たれる可能性があります。

企業研究は、業界の動向や競合との違い、会社の事業内容や理念を知るだけではありません。自分の経験や強みが、その企業のどの事業やポジションで活かせるのかを見つける作業でもあります。

事前に公式サイトやIR情報、ニュース記事、口コミサイトなどで情報を集めておけば、志望動機をより具体的に伝えられます

また、「自分の強みをこの企業でこう活かす」という説得力のあるアピールもできるでしょう。

【Q&A】転職したいけどスキルがない人によくある質問

Q1:求人票に書いてあるスキルや資格をすべて満たしていないと応募できない?

求人票に書いてある応募資格を全て満たしていなくても応募できます

下記の通り、求人票の応募資格は企業の希望ベースであることは多いです。

企業によってケースバイケースではありますが、求人票に書いている応募資格については、「この要件に当てはまっていないと絶対に駄目」という厳しい項目ではなく、「この職種はできるだけこんなスキルや経験を備えた人に応募してほしい」という希望ベースであることがほとんどです。

※引用:Geekly Media「応募資格の読み解き方を解説!条件を満たしていないと応募できない?転職エージェントが注意点を伝授!」

そのため、求人票には複数の応募資格が記載されていることが多いですが、それら全てを満たしていないと応募してはいけないということはありません。

一部でも満たせるスキルや経験があり、興味のある企業なら、求人票の内容だけで諦めずに応募してみましょう

Q2:転職活動を始めるタイミングは?スキルを身につけたり資格を取得してからがいい?

資格の勉強中の段階でも転職活動を始めてかまいません

資格勉強中でも資格取得後でも実務経験がなければ未経験者扱いです。

また、下記の通り、未経験採用の場合は資格や経験よりも「何ができるのか」を重視するので、転職したいタイミングに転職活動を始めるのがいいでしょう。

資格や経験も確かに大切ですが、それ以上に「何ができるか」「どのように企業貢献できるか」ということを、採用担当者は重視します。(中略)また、資格を所持していなくても、取得予定であることを伝えることで、評価されることは可能です。

※引用:マイナビ転職「 【転職検討】の転職Q&A一覧 資格取得が先か? 転職が先か?」

また、現在の職場で身につけられるスキルや、オンライン学習で短期習得できるスキルであれば、転職活動と並行して身につけるのがおすすめです。

関連記事

このページでは、転職活動にベストなタイミングについて解説。「転職するなら何月がいい?」「年代ごとの転職タイミングは?」といった疑問にも触れていきます。実際、中途採用されやすい時期はあるため、その時期を狙うことで転職成功の可能性を高め[…]

転職するなら何月がいい?中途採用されやすい時期。年代別・ケース別のタイミングも解説

Q3:スキルがなくて何の仕事をすればいいかわからない時はどうすればいい?

何の仕事をすればいいかわからない時は、自己分析と情報収集を同時に進めましょう

迷いが生じるのは、自分の強みや適性を把握できていないことと、世の中にどんな仕事があるのかを十分に知らないことがおもな原因。この2つを埋めることで、選択肢は大きく広がります。

自己分析では、これまでの経験を振り返り、「得意だったこと」「やっていて苦にならなかったこと」「周囲から評価されたこと」を書き出してみてください。

並行して、求人サイトや転職エージェントを活用し、未経験歓迎の業界・職種や、研修制度が整っている企業を調べましょう。

転職エージェントに相談すれば、これまでのキャリアから適性な業界や職種をアドバイスしてもらえるのでおすすめです。

関連記事

「自分に向いている仕事がわからない」「やりたい仕事が特に思い浮かばない」このような悩みを抱える人は少なくありません。本記事では、フリーターや学生、社会人など、立場や年代ごとに異なる「何の仕事がしたいかわからない」という悩みを整理しな[…]

転職したいけど何の仕事がしたいかわからない。向いている仕事がわからない原因、仕事の見つけ方、何がしたいかわからない時のNG行動まで解説

まとめ

スキルがないからといって、転職の可能性が閉ざされるわけではありません。強みや経験を正しく整理し、それを活かせる職場や業務を見つけることが大切です。

もし「転職したいけどスキルがなくて踏み出せない」と感じているなら、転職エージェントに相談してみましょう。転職のプロがあなたの経験を客観的に分析し、アピールできるポイントを一緒に見つけ出してくれます。

また、未経験歓迎の求人や育成前提のポジションを提案してくれるため、効率よく転職活動を進められます。

転職UPPP編集部ライター T氏:30代前半

転職UPPPライター
T.F氏:30代前半

ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。

運営会社情報

  • 運営会社:UPPGO株式会社
  • 所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田7-20-9 KDX西五反田ビル5F
  • 有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-313755
  • プライバシーマーク登録番号:第21004733(02)号
  • お問い合わせ:contact@tenshoku-uppp.com