当記事は転職の家庭教師/キャリアコンサルタントの丸井沙紀様に寄稿いただいております。
地方での転職は、都会のようにいかない、なかなか難しいと思っていませんか?
憧れる地方へのUターンやIターン転職。都会とは違う環境や気に入った地方でリスタートしたり田舎暮らしをしたりしたいという方もいれば、子育てや介護を念頭において、実家近くや地方への移住をしたいという方も多いと思います。
また、生まれ育った地方にそのまま住み、一旦は就職したけれど、転職を検討している方もいるでしょう。地方での求人探しはハローワークに限定しがちですが、他にもさまざまな方法があります。
私は現在キャリアコンサルタント(国家資格)であり、転職の家庭教師として転職のサポートをしています。
そして私自身が東京生まれ、父が脱サラをして北海道へ転職をした為、小学校高学年から北海道へ移住し、今は東京で生活をしています。
転職方法から都会と地方での暮らしの違いまでを、リアルにお伝えいたします。求人の探し方や転職活動の仕方次第で、選択の幅が広がって、納得いく転職になるように参考になれば幸いです。

転職の家庭教師/キャリアコンサルタント
丸井沙紀
4,000人以上の相談実績を元に、転職活動をサポートする「100%相談者の味方としてサポートする転職の家庭教師」として活動中。会社員時代のキャリアスクール運営・キャリアカウンセラーとして勤務後独立。転職エージェント内でのアドバイザーを経て、現在は転職・学生向け就活の大規模転職イベント内で講演や相談コーナー、大手生命保険会社内でのキャリア・採用セミナーを担当。また、職業訓練校・短期大学にてキャリアの授業も担当している。
保有資格
- 2級キャリア・コンサルティング技能士(国家検定)
- キャリアコンサルタント(国家資格)
- 米国CCE,lnc.認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー
- 銀座コーチングスクールGCSプロフェッショナルコーチ
- マインドマップ プラクティショナー
地方での転職はなぜ難しい?
地方での転職は難しいという印象がありますが、なぜ難しいのでしょうか?
実際、私自身地元北海道の求人をハローワークの求人検索で検索してみると、
- 「数が少ないなあ」
- 「給与が安いなあ」
- 「やりたい仕事や自分の経験が活かせる仕事がないなあ」
と感じます。なぜ少ない、ない、難しいと感じるのかを紐解いていきましょう。
求人数が少ない
そもそも全体的に求人数が少ない事が言えます。それは企業の数が東京などの都市に比べて少ない為、当然といえば当然です。また、地方は長く務める事が当たり前であったり、辞めたくても他に転職先がなく、転職を考える方が少なかったりします。
その為、1社で長く務める事が多くポジションが空かず、中途採用での正社員の募集が少ない場合もあります。但し、都心は企業数や求人数も多い反面、求職者も多い為ライバルは多くなります。有効求人倍率という点からみると、圧倒的に企業数が多い東京より上の順位に、福井県があります※。
そして東京のお隣、神奈川県は最下位です。これは企業の数より人口が多い分求職者の数が多い事が考えられます。
業種・職種の幅が少ない
企業の数が少ない分、業種や職種の幅が少ないと感じる事も多いでしょう。私は特に地方の求人を検索すると、職種の少なさが一番感じるところです。
その地方独自の業種(農業・漁業や家具などの製造)や、車などの大手メーカーの工場があるという場合は、その業種・職種の仕事は沢山あると思います。
しかしながら、あなたの今までの経験や今後やっていきたい事が、その地方には仕事として存在しない、あってもごくわずかという事は考えられます。
給与が低い
今まで首都圏や大都市圏で働いてきた方からすると、年収や月給欄を見て「低いなあ」と感じる事が多いでしょう。
それもそのはずで物価がそもそも違う事、大手企業が少なく、中小企業や零細企業が多いという点が理由としてあげられます。実際最低賃金も、地方によって差があります。
参考:地域別最低賃金の全国一覧
ハローワークだけじゃない!求人の探し方を変えれば視野が広がる
地方での求人探し=ハローワークと考えている方は多いのではないでしょうか?これは求職者だけではなく、企業も同じように考えています。よって、実際地域に根付いた企業の求人はハローワークに多くあります。
しかし、求人の探し方は他にも様々な方法があります。
会社規模や売上規模が大きい為、収入が地元企業よりも高かったり、福利厚生が充実していたりする場合があります。
また、ある程度の地方都市であれば転職フェアなども定期的に行われています。転職フェアのいいところは自分が知らなかった、思いもよらない業種や職種の企業に出会える事です。検索では見つけられなかった企業と出会う事で、選び方の幅が広がります。
ハローワークは無料で求人が出せますが、転職エージェントや求人サイト、転職フェアは掲載や採用、出展に企業側はお金を支払います。逆を言えば採用にそれだけお金をかけられる企業であるため、大手であったり、利益が上がっていたりする企業と出会う可能性が高まります。
転職以外の選択肢も検討してみよう
仕事を変えるという事は「転職すること」だけが選択肢でしょうか?
- UターンやIターン
- 親の介護
- 子育ての環境
など、何かしらの事情で地方への移住を検討している方は、以下の方法も視野に入れてみましょう。
現職でリモートワークの検討
コロナ禍もあり一気にリモートワークが定着してきました。
職種によりますが、100%リモートワークという企業や職種も増えてきました。
現職でリモートワークが定着している場合には、相談してみてはいかがでしょうか? また、本社との距離にもよりますが、週1、月〇回の出社でOKという企業もあります。検討や会社へ相談してみましょう。
現職での異動願い
全国に支社や支店がある場合、もし住みたい地域に支社などがあれば、異動願いを出してみるという方法もあります。
私の知り合いでも、全国にある教育系の企業にお勤めの方は、転勤族の夫に合わせて異動をしていました。慣れた仕事でリスクなく地方へ移住できます。
起業・フリーランス
移住をきっかけに、起業や、フリーランスとして独立してみるという方法もあります。パソコンひとつでできる仕事であればどこに住んでいても問題ありません。
また、その地方で重宝され、役に立ちそうな新しいビジネスや、前職までの経験を持って、地域に根付いた事業を展開するというのも建設的でしょう。自治体によっては、助成や誘致をしてくれる場合もあります。
起業やフリーランスは、元々その地方で働いている方で、転職を検討中の方の選択肢としても有効です。
地方での求人の探し方おすすめ10選
地方で求人探しをする場合には、どのような方法があるのかについてご紹介していきます。
1:求人サイトを利用する
全国区の大手求人サイトは、まず確認してみましょう。地域を指定して検索することができます。
実際、都市圏に本社がある大手企業や、100%リモートワーク企業など、ハローワークの求人検索では見ない求人が沢山出てきます。また、地元に特化した求人サイトや求人誌が運営しているサイトなども確認しましょう。
2:転職エージェントに相談する
転職エージェントの特徴は、専任のキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれることです。
応募書類や面接のアドバイスは勿論ですが、IターンやUターンの方は、その土地の事、転職や企業の事情、家賃相場や給与相場、地域特有の事情など色々相談してみましょう。
全国区の大手エージェントの他に、地域に根付いたエージェントも存在しています。
他の地域に住んでいると、「聞いたことがない」というエージェントでも、大手企業の案件を持っていたり、地元の有名企業や優良企業との求人の紹介が受けられたりする場合があります。
全国区の大手エージェントもまず1社は登録することで、上記で紹介したように全国区の募集をしている大手企業や、リモートワークの企業案件に出会う確率が高まります。大手エージェントでも地方都市に支社を持っている場合が多くあります。
地域にもよりますが、探している地域や近くにある中堅都市に支社があるエージェントへの登録もお薦めです。支社ごとに地域担当営業がいて、地元の企業との取引があり、求人を扱っているからです。
登録面談は、オンラインや電話で対応可としているエージェントが多いため、わざわざ地方に出向かなくても相談や、仕事の紹介を受けられます。
面接日程も調整してくれるため、タイミングが合えば同じ日に数社設定してくれ、その日だけ地方に行き、まとめて面接を受けてくるという事も可能です。
IターンUターンではなく、長く地元に住んでいる方が転職をする際、転職エージェントの活用はあまりなじみがないかもしれません。
幅や可能性を広げる意味で視野にいれるとといでしょう。
3:転職フェア・相談会に行く
大都市や中堅都市圏では、展示場や会議室で定期的に転職フェアなどのイベントが開催されています。
大手エージェントや求人サイトが主催しているものや、自治体が主催しているものもあります。
私自身、首都圏だけではなく、地方の転職フェアで講演や相談コーナーの担当として行かせていただくことがあります。
色々な企業のブースを、一気に見て歩く事ができるのは魅力的です。勿論、地方のイベントでは地元企業が沢山集まっています。
自身で求人検索をすると、どうしても業種職種を絞ってしまい、目にする求人が限定的になってしまいます。
転職フェアでは、思いもよらなかった業種や職種に出会える事があります。また、会社の雰囲気や社員の方の人柄は、長く一緒に働くと思うととても重要ではないでしょうか。
ブースの装飾や人事の方の雰囲気、説明の仕方などで、企業の特徴を感じる事ができます。
面接でその企業に行くのが一番ですが、今はリモート面接も増えていますし、1社1社受けに行っていたら大変です。転職フェアでは沢山の企業を一気に確認することができます。
4:IターンやUターン、移住イベントに参加する
地方自治体や大手エージェントが実施しています。
その地方だけではなく、首都圏など、別地域でも各自治体頻繁に実施して、地元の魅力をPRしながら、企業を紹介しています。
企業とのマッチングは勿論、地域の特徴や良い点、生活面までを自治体担当者に聞くことができます。移住支援などを行っている自治体であれば、合わせて説明が受けられます。
5:地方の職業訓練校に通う
ハローワークなどが運営している職業訓練校は多くの地域に存在します。その地域に多い職種の技能や資格を取得できる訓練を多く開講しています。
もし、移住と同時にキャリアチェンジを考えている場合には、移住先地域の職業訓練校に行くという方法もあります。
通学中に地元のクラスメイトから、地域の情報を教えてもらえることもできます。
また、卒業まで仕事の紹介やキャリアコンサルティングなど、転職活動に関する様々なサポートが受けられます。
6:地域おこし協力隊などに応募する
もしあなたが住みたいと考えている町に地域おこし協力隊など、国や自治体が募集している事業があれば、応募も検討してみましょう。
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年から3年です。
※引用元:総務省「ページタイトル」
あなたの今までの経験が、地域おこしの役に立ち、多くの方に喜ばれるかもしれません。
また、任期期間その地域で仕事をしながら住んでみて、そのまま定住するという事が目的です。
IターンやJターンで、住みたい地域を特に限定していない場合には、全く知らない地域に一人で引っ越しをして仕事を探すよりも、こういった制度をきっかけに、地域に根付いて安心して定住するという方法は安心ではないでしょうか。
7:ハローワークに向かう
地方での求人探しの定番です。
地方では、人材募集=ハローワークと考えている企業が多い為、地元に密着した求人や、既に在住の方は近い地域での求人は多くあります。
また、無料で掲載できる為、中小企業や、場合によっては10人以下の小さな企業の求人も多くあります。
ハローワークの窓口での検索だけではなく、インターネットからも検索できる為、まずは気軽に検索してみましょう。
実際応募する際には、ハローワークの窓口で相談や紹介を受ける事ができます。
8:折り込みチラシ・広告などを読む
新聞などの落ち込みチラシや、ポスティング、地元誌やフリーペーパーなどの広告も、地元に根付いた求人探しとしては有効です。
9:企業のホームページを見る
業種や職種が決まっている人は求人から検索するより、地元の企業のサイトを見てまわった方が早い場合があります。企業のサイトには自社の採用情報を掲載していることもあります。
インターネットで業種などの検索をしても出てきますが、今そこに住んでいる方は勿論、離れている方も生まれ育った地域であれば、企業の名前など、わかる事も多いと思います。
10:知人からの紹介
友人・知人からの紹介やリファラル採用を利用することも有効です。
特に今既に地方に住んでいる状態での転職や、Uターンの場合には、家族や友人・同級生、その家族など知人が多くいるのではないでしょうか。
都会以上に横のつながりが強い地方では「いい人いない?」「あそこで募集があるみたいだよ」といった情報は飛び交っています。
私自身、地元から遠く離れた東京にいても「〇〇で募集があるから帰ってこない?」といった声掛けをいただくことがあります。紹介の場合、その企業のリアルな情報を知る事ができます。
もし既に働いている方からの紹介で、お話を聞く事ができれば、仕事内容や待遇、社風なども知る事ができ、知らない会社へ応募よりも、安心して応募することができます。
IターンやUターン、地方への移住のメリット・デメリット
冒頭でもお伝えしたように、私自身が東京から北海道に幼い時に移住している経験があります。同級生や友人は地方で仕事をし、生活をしている為、リアルに違いを感じる事があります。
現在は仕事で全国各地に講演で回ったり、実際に地方で働いている方と面談し悩みをお伺いしたりすることもあります。
そんな経験から、IターンやUターン、地方への移住を検討中の方にリアルなメリット・デメリットを伝えしていいます。
地方に移住へのメリット
家賃や物価が安い
地方や家賃や物価が安いため、生活費が安くすみます。家賃だと東京の半分以下という地域もあります。
購入する際も圧倒的に安いばかりでなく、評価額が低いため、固定資産税を安く抑えられるというメリットも。
また、地域によっては、若い方や子育て世帯の移住を後押しするために、家賃が無料であったり、一定年数住めば住居をそのままプレゼントされたりといった自治体もあります。加えて、物価全体が安い為、野菜や魚など、新鮮でおいしいものが安く手に入ります。
周りの人とのつながり
地域によっては周りの人とのつながりが深い場合があります。
私が住んでいた場所は周りに農家が多く、沢山の野菜をわけていただいたり、お米を安く直接売ってもらったりもしました。
大きな機械を持っている近所の人が、雪かきを手伝ってくれたりと、地域の方のおかげで生活が支えられたり、都会のような孤独を感じない事もメリットといえます。
自然豊か
海や山、川が近く、休日の過ごし方も変わるのではないでしょうか。
私の友人で東京から地元に戻った人は「時間の流れがゆっくりになった」と言っていました。
海や山へドライブにいったり、キャンプをしたり、釣りをしたりと、海に潜ったり、スキーをしたり。都会よりも気軽にレジャーが楽しめます。
満員電車からの解放
地方都市であればあまり変化はありませんが、車通勤やそこまで電車が混まない地域であれば、満員電車や長距離通勤から解放されます。
特に東京でのラッシュ時の乗車率は世界中の人が驚く込み具合ですよね。会社に着いたら既にぐったりしているのではないでしょうか。地方では、車でゆったりと通勤できるという事も。
以前地方から来た友人に「〇〇にいくには電車で40分だから近いよ」と言ったところ、「電車で40分を近いっていうの?」と驚かれた事があります。
地方では、仕事や用事がある場所に行くにも、車にゆったりと座って10分~20分程度が一般的なのだと思います。
地方に移住へのデメリット
車社会
大体の地方は車社会です。政令指定都市であっても、少し離れた場所に会社や自宅がある人は車通勤となります。
免許がない方やペーパードライバーの方は、運転ができるように準備をしておきましょう。
これは通勤だけではなく、買い物やレジャー、子どもの送り迎えも、車がある事が前提となります。
普段はのどかで車が少なく見える道も、通勤ラッシュ時、近くの大手企業や工場の通勤時間と重なると、渋滞が発生する場合があります。
雪や台風など独自の気候対策
私が育った北海道は勿論、東北や北陸甲信越地方では、冬の雪問題があります。
「今夜は雪が積もりそうだから、明日は1時間早く起きて雪かきしないと、車が出せず出勤できないな」という会話は日常茶飯事です。
バスや電車の交通機関も影響をうけます。台風や高波が来やすい地域など、その地域独特の気候をと対処方法を理解しておく必要があります。
周りとのつながりが濃すぎる
周りとのつながりが多いことは良い反面、濃すぎるというデメリットがあります。
狭い地域ですと、知り合いや親せき同士が多く、すぐに噂や情報が広がります。私の実家でも、庭に洗濯ものを干しっぱなしで出かけていて、雨が降ってきたら、隣の方がガレージにしまっておいてくれました。
メリットでも紹介した野菜なども施錠していなければ玄関の中に勝手においてある事はしょっちゅうでした。今は防犯上、地方でも施錠は必須ですが、まだまだのどかな地域はあります。
これをありがたいと思う事ができれば良いですが、都会の感覚ですと
- 「庭やガレージに勝手に入った」
- 「洗濯ものを勝手に見られ触られた」
- 「玄関を勝手に開けられた」
- 「誰からのかもわからない野菜なんて怖くて食べられない」
と感じる方もいるでしょう。
仕事への考え方・文化・ITリテラシーの違い
仕事への考え方や文化の違いは、大いにあります。よく言えば昔ながらのやり方や伝統を守っている、独自のしきたりがある。
悪く言えば古い、非効率とも感じるでしょう。
私が帰省し、友人に仕事の事や考えを話すと決まって「やっぱ丸井は都会の人だね」と言われます。
またITリテラシーも低い場合があります。都心でも転職すると、社内システムが整っておらずアナログな会社や業界でイライラすることもあります。地方はさらにその可能性が高まります。
例えば地方に旅行に行くときに、観光地やお店のWebサイトを検索すると、一昔前のデザインやスマホで表示されにくいといった経験がある方もいるのではないでしょうか。
バスなどの交通情報もネットでは探しにくい、誤った情報のままという地域もあります。都会でしたら大問題ですが、地方では問題にならない位、まだ使われていないのだと推察します。
全国一律の物価や燃料などお金がかかるものもある
家賃や食品などの物価が安い分、給与が低くてもある程度は納得できるかと思います。
しかし、電気代やガス代などの光熱費は都会よりも高い地域があります。
車社会なのでガソリン代もかかりますし、雪国では冬の燃料費もかさみます。北海道では「燃料手当」が支給される企業が一般的です。
例えば、下記の記事「燃料手当支給実態調査報告」によると、一世帯あたり15.9万円(単身は9.2万円)が一冬に支給されています。という事は、その位かそれ以上に灯油などの燃料代がかかる事になります。
参考:燃料手当 世帯主は16万円 前年比で1割超増える 道経連調査
その他の地域でも地域特有に費用がかかるものがあり、逆に手当があるかもしれません。事前に確認しましょう。
ネットショッピングも含め、普通に売っているものは大体全国一律の値段です。
お子さんがいる場合、将来大都市への進学を希望する場合があります。その時には、学費は勿論、住宅費や生活費などの仕送りをする場合、多額の持ち出しが必要となります。
地方でキャリアアップをするために
本社が都心にある企業を選ぶ
もし、地方に長年在住で、住む地域にはこだわらず、年収UPやキャリアアップを目指している方は、本社が都心にある企業に転職をして、将来的には出世をして本社勤務を視野にいれるという方法があります。
店長候補など、マネジメント候補の求人を選ぶ
地方は年功序列というイメージがありますが、販売や飲食など企業では「店長候補」や「エリアマネージャー候補」といった形で、将来的にマネジメントを任せられる人材を募集している場合が多くあります。
最初こそ安い年収でも、そこでがんばり実績を上げて、役職を目指していくことができます。
資格取得
業種や職種によっては、特定の資格を持っていると手当が出たり、資格所持者にしか任せられない仕事があったりします。転職前に取得できるものは取得して転職に臨むという方法があります。
また、介護職など、一定期間勤務経験を積みながら上位資格を取得していく事で、キャリアアップが可能となる業界もあります。
長期キャリア形成を考える
特に都心から地方で転職する場合には、年収ダウンとなる可能性が高い為、都落ちしたような気分になる方もいるかもしれません。
しかし、生活環境、家賃や物価も違いますし、仕事だけではなく、生活ごと新たにスタートをしていく場面です。
短期で見るとたとえ年収ダウンになっても、上記で紹介したように、経験を積み上げていったり資格を取得したりするなどして、収入を増やしたりキャリアアップしていく事は可能です。
この先5年、10年を見据えた長期的な視点が必要です。
地方で重要視されるスキルを身につける
これは、通常の転職でも言える事なのですが、あなたが持っている経験やスキルは、あなた自身やあなたがいる会社では当たり前のスキルでも、他の会社に行けば、相当な強みになる場合があります。
それが異業種であったり、地域が変わって地方になったりすれば、なおその差は大きくなる可能性があります。
例えばホームページの簡単な更新ができるとします。
でも、プロのWebデザイナーやコーダーのように難しい事はできません。
しかし、企業によっては誰もどういう仕組みになっているかわからず、1文字更新するだけでも、外注に依頼して多額の費用と期間を要しているかもしれません。
このようにあなたが「当たり前」と思っている知識やスキルが重宝される可能性があります。
失敗しない求人選びのポイント5選
ここまで地方での転職のメリットやデメリット、求人の探し方などを紹介してきました。
そこで重要な失敗しない求人選びのポイントを5つ紹介します。
- 転職の目的と軸をはっきりさせる
- 条件の確認
- 仕事内容と自分の経験や適性
- 社風
- ITリテラシーと社内システム
まず、あなた自身がなんのために転職をするのか、転職後どうなりたいのかをはっきりさせましょう。
キャリアアップしたいのか、〇〇という地域に移住またはUターンしたいのか。
キャリアの軸をはっきりさせた上で、条件に優先順位を立てていきましょう。
特に地方の零細企業では、実際は休日が少なかったり、社保がなかったり残業代がなかったりと、違法的な事が当たり前となっている企業もあります。
転職としては当然のポイントですが、
- 自身の経験が生きるのか?
- 適正はあるのか?
- やりたいことなのか?
といった点や、社風なども確認しましょう。
また、人によっては、社内システムが古くアナログ作業が多く、周りの社員のITリテラシーが低いとイライラしてしまいます。
今の会社に導入されている当たり前のシステムや仕組みがない可能性もあるため、できる限り確認しましょう。
このあたりは、面接で直接または転職エージェントを利用している場合には、アドバイザーや担当営業から確認してもらうと安心です。
まとめ
地方や田舎での職探しのポイントについて、お伝えしてきました。
求人の探し方はハローワーク以外にも沢山あり、様々なツールを使う事で職の幅が広がったり、年収が高い仕事に出会える確率も高まったりします。
また、仕事や生活面などメリット・デメリットもリアルにお伝えしました。
人生の大きな転機である転職。
転居や移住を伴う方はより大きな転機となります。
納得いく転職をして新しいスタートできる為に、この記事でお伝えしたことがお役に立てれば幸いです。

転職の家庭教師/キャリアコンサルタント
丸井沙紀
4,000人以上の相談実績を元に、転職活動をサポートする「100%相談者の味方としてサポートする転職の家庭教師」として活動中。会社員時代のキャリアスクール運営・キャリアカウンセラーとして勤務後独立。転職エージェント内でのアドバイザーを経て、現在は転職・学生向け就活の大規模転職イベント内で講演や相談コーナー、大手生命保険会社内でのキャリア・採用セミナーを担当。また、職業訓練校・短期大学にてキャリアの授業も担当している。
保有資格
- 2級キャリア・コンサルティング技能士(国家検定)
- キャリアコンサルタント(国家資格)
- 米国CCE,lnc.認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー
- 銀座コーチングスクールGCSプロフェッショナルコーチ
- マインドマップ プラクティショナー