転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないこと9選|不安・失敗を防ぐ注意点と対策

この記事では、転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないことを解説。知らずにやってしまうと選考に悪い影響を与えたり、希望と違う求人を紹介されてしまう可能性があります。

あわせて、良い印象を与えるための具体的なポイントや、面談までに準備しておくべきことも詳しくご紹介します。

さらに、「面談をしたら絶対に転職しないといけないの?」といった、よくある疑問にもわかりやすく解説しています。

初めて転職エージェントを利用する方でも、安心して面談に臨める内容となっているので参考にしてください。

転職UPPP編集部ライター T氏:30代前半

転職UPPPライター
T.F氏:30代前半

ライター経験8年以上で年間100記事以上を執筆。転職・健康食品・美容などの情報を取り扱うWebメディア企業でライター/ディレクターの経験を積み、その後フリーランスへ転身。Webコンテンツの執筆やWebサイトのディレクション、コンサルなどを経験。今までに6社の転職サイト/エージェントを利用し、現在は転職UPPP編集部で活躍中。

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目次

転職エージェントとの面談とは?何を聞かれる?

転職エージェントとの面談では、これまでの経歴や転職の希望条件について詳しく尋ねられます。

主に聞かれるのは、以下のような「なぜ転職したいのか」「どんな働き方を望んでいるか」といった内容です。

  • 転職理由
  • 退職理由
  • 将来のキャリア
  • 希望年収
  • 希望する仕事内容
  • 希望の待遇
  • 希望の勤務時間
  • 希望の社風

※参考:リクルートエージェント「転職エージェントの面談では、どこまで本音で話す?やってはいけないこと、うまくいくコツを紹介」

これらの質問は、あなたに合った求人を紹介するために必要な情報を集めることが目的であり、選考の場ではありません

たとえば、面談では転職理由や退職理由を通して、今どのような悩みを抱えていて、次の職場に何を期待しているのかを確認します。

また、「将来どのようなキャリアを目指しているのか」といった長期的な視点や、職場に求める具体的な条件も丁寧に聞き取られます。

エージェントからの質問に明確に答えられなくても問題はありません。転職エージェントに登録する人の中には転職の軸が定まっていない人も多く、エージェントとの面談を通じて徐々に方向性が見えてくるケースも少なくないからです。

むしろ、悩みや迷いがあるからこそ転職のプロと面談をする価値があるとも言えます。

大切なのは、完璧に答えることよりも、自分の考えを正直に伝えることです。

転職エージェントとの面談は視野を広げながら選択肢を見つけていくプロセスでもあるので、面談を受けることで不安がやわらぎ、前向きな気持ちで転職に臨めるようになるはずです。

転職エージェントと面談を行う理由

転職エージェントと面談を行う理由は、退職理由や希望条件などの情報を整理し、最適な転職先を紹介してもらうためです。

面談ではこれまでの経験やスキルだけでなく、希望する働き方や将来のキャリア像など、多角的にヒアリングが行われます。

エージェントはその情報をもとに、単なる条件一致ではなく、「あなたに合うかどうか」を軸に求人を提案してくれます。中には、本人が気づいていなかった強みや意外な可能性が見えてくることもあります。

さらに、転職活動を一人で抱え込まず、迷いや不安を率直に相談できるのも面談のメリット。

今すぐ転職すべきかどうか迷っている場合でも、無理に結論を出す必要はありません。むしろ、面談を通じて自分の考えが整理され、少しずつ方向性が見えてくることも多くあります。

転職エージェントとの面談は、何かを試される場ではなく、自分のキャリアをよりよくするための対話の場と捉えて受けてみてください。

転職エージェントとの面談でやってはいけないこと・注意点9つ

転職エージェントとの面談は、今後のキャリアに大きく関わる大切な機会です。何気ない言動が印象を左右し、紹介される求人の幅やサポート内容に影響を与えることもあります。

ここでは、面談で避けるべき行動や注意点を9つに絞って紹介します。事前に知っておくことで、より信頼される対応ができるようになります。

  • 嘘の経歴やスキルを伝える
  • 履歴書や職務経歴書を用意していない
  • 面談に無断遅刻・無断キャンセルする
  • 感情的になって会社の愚痴ばかりを話す
  • 服装がラフで身だしなみがだらしない
  • エージェントに高圧的な態度をとる
  • 応募書類の作成などを丸投げする
  • 転職の意思が低いことを言ってしまう
  • 他に転職エージェントを利用していることを隠す

1:嘘の経歴やスキルを伝える

転職エージェントとの面談で、経歴やスキルに関して事実と異なることを伝えるのは避けるべきです。

見栄を張りたくなる気持ちは自然なものですが、情報に誤りがあるとエージェントのサポートや企業とのやりとりに支障が出るリスクがあります。

転職エージェントは、面談で得た情報をもとに求人を選定し、企業に推薦したり求人を紹介したりしてくれます。

そのため、正確でない情報があると、以下のような問題が起きる恐れがあります。

  • 実力と合わない求人が紹介され、入社後にギャップが生まれる
  • 書類選考や面接の段階で、事実とのズレが露見する
  • エージェントや企業からの信頼を損ない、サポートや推薦が受けにくくなる
  • 入社後に経歴詐称でトラブルにつながる

転職活動では、完璧な経歴やスキルだけが評価されるわけではありません。

自分の現状を正直に伝えることが、信頼を築くうえで大切。面談は、あなたの価値を一緒に見つけていく場として捉えることが、より良い転職への近道となるでしょう。

2:履歴書や職務経歴書を用意していない

転職エージェントとの面談に履歴書や職務経歴書を用意せずに臨むと、的確なサポートを受けにくくなってしまいます

書類の内容は、これまでどのような経験を積んできたのか、何が得意でどんな働き方を望んでいるのかを伝える重要な手がかり。

準備が不十分な状態では、エージェントもあなたに合った求人を判断しきれず、せっかくの面談の機会が無駄になります

転職エージェントとの面談の前で履歴書や職務経歴書が必要とされるのには、以下のような理由があります。

  • あなたのスキルや経験を客観的に把握できる
  • キャリアの強みや課題を明確にしやすい
  • 希望とのギャップを確認し、今後の方向性を一緒に考えやすくなる
  • 企業に推薦する際の土台資料として、そのまま活用できる

面談前に完璧な書類を仕上げておく必要はありません。たとえ途中でも、現在の考えや経歴を整理したものがあれば、そこからヒアリングしていけます。

「まだ準備ができていないから面談を受けるのは早い」と感じるかもしれませんが、たとえ未完成でも、何かしらの形でまとめておくことで転職エージェントとの面談が効率よく進みます。

自分のペースで構わないので、履歴書・職務経歴書の準備からはじめてみましょう

3:面談に無断遅刻・無断キャンセルする

転職エージェントとの面談に無断で遅刻したりキャンセルしたりすることは、信頼関係を築くうえでマイナスになります。

エージェントは一人ひとりの希望や状況に向き合い、最適な求人の提案を行うために協力してくれます。その約束を理由もなく破ることは、ビジネスの場において「約束を大切にしない人」と受け取られかねません

仕事の都合や体調不良など、やむを得ない事情はもちろんあるでしょう。その際に一言でも連絡があるかどうかで、相手の受け止め方は大きく変わります。

連絡があれば「誠実な人」として印象を損ねずに済みますが、連絡がないままだと「責任感に欠ける」と判断されてしまう恐れがあります。

また、転職エージェントは応募者の人柄や対応力も含めて企業に紹介します。そのため面談時のやり取りやマナーは、間接的に企業側への印象にも影響を及ぼしかねません。

つまり、無断の遅刻やキャンセルは、紹介される求人の幅を狭めてしまうリスクにもつながりかねないというわけです。

もし急な予定変更が必要になったときは、できるだけ早く連絡を入れるようにしましょう

4:感情的になって会社の愚痴ばかりを話す

転職エージェントとの面談で、前職への不満や怒りを感情的にぶつけすぎるのもやめた方がいいです。

職場で辛い経験があったことは決して悪いことではありませんし、その思いを言葉にすることで気持ちが整理されることもあるでしょう。

しかし、面談はエージェントに自分の状況や価値観を冷静に伝える場であり、単なる「吐き出しの場」として使ってしまうと本来の目的から遠ざかってしまいます

過度な愚痴や怒りの言葉が面談で好まれない理由は、いくつかあります。

  • ネガティブな印象を与えやすく、信頼性や冷静さに欠けると思われる可能性がある
  • 客観的な情報がつかみにくく、適切な求人を提案しにくくなる
  • 企業への推薦時に、前職でのトラブルの印象ばかりが強調されてしまうリスクがある

もちろん、「退職理由」や「転職理由」のなかに不満や問題意識が含まれているのは自然なことです。

むしろ、どんな点に課題を感じたのかを共有することは、同じ環境の職場を避けるうえで重要な手がかりになります。ただし、その伝え方には工夫が必要です。

たとえば、「上司と合わなかった」という経験があった場合も、「自分がどう対応し、何を学んだか」「次はどんな組織文化で働きたいか」といった観点で語れば、前向きな姿勢として受け取られやすくなります。

感情をそのままぶつけるのではなく、自分の経験をどう整理し、次にどう活かすかに視点を移すことが面談を有意義なものに変える鍵になります。

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5:服装がラフで身だしなみがだらしない

転職エージェントとの面談にラフすぎる服装で臨むと、あなたの印象を不必要に損なう可能性があります

服装は、言葉以上に相手に伝わる情報のひとつであり、身だしなみが整っていないと「本気度が低いのでは」「社会人としてのマナーに不安があるのでは」といった印象を持たれてしまうことがあります。

たとえ面接ではなく相談の場であっても、身なりは誠実さや姿勢を映す鏡として見られています。

特にオンライン面談が一般的になった今、服装や髪型への意識が薄れがち。しかし、画面越しであっても「丁寧に準備しているかどうか」は相手に伝わります。

エージェントは、あなたを企業に推薦する際に「信頼できる人かどうか」という点も見ているでしょう。服装がだらしないと、スキルや経験があっても印象で損をしてしまうことがあります。

転職エージェントとの面談の際は過度に気負わず、自分らしさを保ちつつも、相手に敬意を示す工夫をしてみてください。

6:エージェントに高圧的な態度をとる

転職エージェントとの面談で高圧的な態度をとることも、エージェントと信頼関係を築くうえで大きな障害になります。

エージェントは求職者の希望や状況を丁寧にくみ取りながら、最適な求人やキャリアの選択肢を提案する立場にあります。

そのためには、双方の信頼を気づくことが大切。高圧的な言動が与える印象には、次のようなものがあります。

  • 柔軟な対話が難しく、要望の背景が見えづらい
  • ビジネスの場での協調性や対人スキルに不安を感じさせる
  • 企業への推薦時に、人柄への懸念を抱かれる可能性がある

特に、エージェントを「サービス提供者」として一方的に見てしまうと、無意識のうちに命令口調や不満の押しつけにつながりかねません。

しかし、エージェントも人間です。転職活動を支えてくれるパートナーとして接することで、より深く条件を理解してもらえたり、想像以上に細やかなサポートが受けられる可能性も高まります。

転職エージェントとの面談は、能力だけでなく人柄や姿勢も見られるプロセス。エージェントとの関係づくりもその一部と捉えて、相手への敬意を忘れずに向き合いましょう

7:応募書類の作成などを丸投げする

転職エージェントに応募書類の作成を丸投げしてしまうと、「転職する意思が弱いのではないか」「自分で考えて動けない人かもしれない」といったマイナスの印象を持たれる可能性があります。

たとえば、以下のような印象が生まれやすくなります。

  • 書類すら自分で準備しない=転職意欲が低い
  • 指示を待つ姿勢が強く、自分から動けない
  • 入社後の自律性にも不安がある

一方で、応募書類に関して「どう書けばいいかわからない」「表現が不安」といった悩みを持つ人も多いです。

その場合は、まず自分なりに書いてみて、エージェントに見てもらうという姿勢を取るだけで、受ける印象は大きく変わります。

誠実に取り組む姿勢が伝われば、エージェントも力を尽くしてサポートしてくれるでしょう。

エージェントはサポーターであり、転職をするのはあなた自身です。だからこそ、「任せる」のではなく「一緒に考える」姿勢を持つことで、面談の質も転職の可能性も高まっていきます。

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8:転職の意思が低いことを言ってしまう

転職エージェントとの面談で「まだ転職するか決めていません」「良いところがあれば…くらいです」といった曖昧な表現で伝える人も少なくありません。

しかし、そのような転職意思が低いと感じる伝え方をすると、エージェント側から「転職意欲が低い」と判断されてしまう可能性があります。

エージェントは多くの求職者と日々面談を行っており、限られた時間の中で「今、本気で動きたい人」を見極め、優先的に求人を提案していきます

転職の意欲が見えにくいと、以下のような印象を持たれることがあります。

  • サポートしてもすぐには動いてもらえない
  • 紹介しても辞退される可能性が高い
  • 自分ごととして捉えていないように見える

もし本音として「すぐの転職は考えていない」という気持ちがあるなら、面談ではその背景や現状の悩みを丁寧に共有し、「今後の方向性を整理したい」「可能性を知っておきたい」といった前向きな目的を伝えることが大切です。

9:他に転職エージェントを利用していることを隠す

転職エージェントとの面談の際に、「他にも転職エージェントや転職サイトを利用していますか?」と聞かれることもあります。

その際に、他の転職エージェントを利用していれば、隠さずに利用していることを伝えた方がいいです。

エージェントは、あなたの希望条件や応募状況をもとに、企業への推薦や選考のスケジュールを調整しています。

その際、他のエージェントでも同じ企業に応募していることが後から判明すると、以下のようなトラブルにつながることがあります。

  • 同じ企業に重複して応募されてしまう
  • 選考状況が正確に把握できず、適切なアドバイスが難しくなる
  • 信頼性に疑問を持たれ、優先的なサポートを受けにくくなる

他のサービスを使っていることに後ろめたさを感じる必要はありません。

正直に伝えることで、むしろエージェント側もあなたの立場や意図を理解しやすくなり、案件の重複を避けたり、他のエージェントでは得られない情報提供を受けられたりすることがあります。

転職エージェントとの面談の印象は転職活動に影響する?

転職エージェントとの面談では、あなたの印象が今後の転職サポートや求人の紹介先に大きく影響する可能性があります。

ここでは、エージェントに与える印象が転職活動にどのような影響を及ぼすのか、良い場合と悪い場合の違いを具体的に解説します。

転職エージェントから【良い印象】を抱かれた場合

転職エージェントとの面談で良い印象を与えると、求人の提案やサポートの質が高まり、転職活動全体がスムーズに進みやすくなります。

エージェントは“一人あたり数十人〜30人前後の求職者を担当している”と言われているので、すべての利用者に平等にサポートを提供するのは難しいでしょう。
※参考:キャリアアドバイザーAGENT求人ナビ「キャリアアドバイザーの担当人数とは? 転職エージェントごとの事例や仕事を効率化する方法を解説」

そのため、「この人にはぜひ良い企業を紹介したい」と思ってもらえることで、優先的にサポートを受けられる可能性が高まるというわけです。

良い印象とは派手なアピールや完璧な受け答えのことではなく、たとえば以下のような素直で誠実な姿勢が評価されやすい傾向にあります。

  • 履歴書や職務経歴書を事前に用意している
  • 転職の目的や希望条件を自分なりに整理している
  • わからないことは「わからない」と正直に伝えられる
  • アドバイスに耳を傾け、前向きに受け止めようとしている

こうした姿勢は、「この人は本気で転職を考えている」「丁寧に向き合えば、しっかり動いてくれるはず」といった信頼感につながります。

その結果、より適切な求人を優先的に紹介してもらえたり、応募書類や面接対策でのサポートも丁寧に受けられる可能性が高まるはずです。

また、印象が良いとエージェント自身が自信を持って企業に推薦できるため、書類選考や面接の通過率が高まりやすくなります。転職活動はスキルや経歴だけでなく、人柄や姿勢も評価の対象になるので意識しましょう。

転職エージェントから【悪い印象】を抱かれた場合

転職エージェントとの面談で悪い印象を与えてしまうと、紹介される求人の数や質、サポートの手厚さに影響が出るリスクがあります。

エージェントとの面談は選考ではないものの、エージェントは求職者の姿勢や人柄を見ながら「どのような求人が合うか」「企業に安心して紹介できるか」を判断しています。

たとえば、次のような対応は注意が必要です。

  • 面談時間に遅れても連絡がない
  • 転職の目的が曖昧で、質問にも受け身のまま
  • 書類の準備をせず、協力的な姿勢が見られない
  • エージェントに対して横柄な態度や指示的な言い方をする

このような行動が続くと「転職の本気度が低い」「企業に紹介しづらい」と判断されてしまい、結果的に提案される求人が限定的になることがあります。

さらに、書類選考の推薦文にも熱意が伝わらず、せっかくの機会を逃してしまうことにもなりかねません

転職エージェントとの面談で良い印象を与えるポイント7つ

転職エージェントとの面談では、ちょっとした心がけや準備の違いが相手に与える印象を大きく左右します。

ここからは、エージェントに「ぜひサポートしたい」と思ってもらえるような、良い印象を与えるためのポイントを7つに絞って紹介します。

  • 退職理由や希望条件は本音で話す
  • 希望条件や希望職種を面談前にまとめておく
  • 積極的に質問したりアドバイスを求めたりする
  • 清潔感のある服装でのぞむ
  • 今すぐの転職でない場合は、転職すべきかどうかなどを相談してみる
  • 高圧的な態度を取らない
  • 面談に遅刻・キャンセルする場合は担当者に連絡をする

ポイント1:退職理由や希望条件は本音で話す

転職エージェントとの面談では、退職理由や希望条件を正直に伝えることが重要。なぜなら、本音を共有しなければ、あなたに合った求人やキャリアの選択肢が正しく提案されない可能性があるからです。

エージェントは、あなたのキャリアの現状や将来の希望を深く理解したうえで、最適な求人を選び、企業との調整を行います。

しかし、肝心の情報が曖昧だったり、表面的な内容にとどまっていたりすると、方向性を誤るリスクが高まります。

たとえば「残業が多すぎてつらかった」「人間関係で悩んだ」といった背景が見えなければ、また同じような環境の企業を紹介されてしまうかもしれません。

とはいえ、「ネガティブな理由を正直に話すと評価が下がるのでは?」と不安になる人も多いでしょう。

エージェントの役割は、あくまであなたにとってベストな選択を一緒に考えること。正直な情報があってこそ、応募先企業には伝えにくい内容も配慮したサポートができるのです。

自分をよく見せようとするよりも、正直に向き合う姿勢が結果的にエージェントの信頼を得る近道になります。

言いにくい退職理由はどう伝える?

たとえば「人間関係のストレス」や「評価に不満があった」など、ネガティブに聞こえる理由であっても伝え方次第で前向きな印象に変えることができます。

たとえば「人間関係が悪かった」ではなく「チームで協力して働く環境を求めている」と表現すれば、前向きな志向として受け取られます。

無理に取り繕わず、今後の希望や改善したいポイントとセットで伝えることが大切です。面談前に自分の考えや希望をメモに書き出しておくと、落ち着いて話すことができます。

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ポイント2:希望条件や希望職種を面談前にまとめておく

転職エージェントとの面談の前に、希望する条件や職種をまとめておきましょう。これにより、面談の時間を有効に使え、自分に合った求人にたどり着きやすくなります

エージェントは、限られた時間の中であなたの経験や希望を整理し、マッチする企業を見つけるサポートをします。

しかし、肝心の「何をしたいか」「どんな働き方を希望しているか」が曖昧だとヒアリングに多くの時間が割かれ、具体的な提案がしにくくなります。

逆に、条件がある程度まとまっていれば候補の精度は一気に高まり、面談後の進行もスムーズになります。

まとめるといっても、完璧である必要はありません。「年収は○○万円以上を希望」「在宅勤務が可能な仕事に興味がある」「これまでの経験を活かせるポジションがいい」など、大まかで大丈夫です。

迷っていることも、あえてリストにしておけば、面談時に相談しやすくなります。

たとえば以下のようなシートを簡単に作っておくと、整理しやすくなります。

  • 希望年収・勤務地・勤務形態(例:リモート希望)
  • 希望職種・活かしたいスキル
  • 働くうえで重視する価値観(例:チームワーク、安定性、成長環境)
  • 今の職場での悩みや課題

まずは思いつく範囲から書き出してみてください。

ポイント3:積極的に質問したりアドバイスを求めたりする

積極的に質問したりアドバイスを求めたりする姿勢は、転職エージェントとの信頼関係を築くうえで効果的。

受け身ではなく、自ら行動する姿勢が伝わることで「この人のサポートを本気で行いたい」と思ってもらえるきっかけになるからです。

面談中に具体的な質問をしたり、「自分の強みをどう伝えるべきか」「この業界の選考で気をつけることは何か」など、率直にアドバイスを求めたりすることで、エージェントもより的確な提案がしやすくなります

また、たとえ完璧な準備ができていなくても、「どうすれば自分に合う企業に出会えるのかを知ろうとしている姿勢」自体が好印象につながる可能性もあります。

質問や相談内容は些細なことで構いません。

たとえば「未経験でも挑戦できる分野はありますか?」「この業界ではどんな経験が評価されやすいですか?」といったものでも、立派なアプローチです。

今日からできる準備としては、「面談で聞いてみたいことを3つ挙げておく」ことをおすすめします。

ポイント4:清潔感のある服装でのぞむ

清潔感のある服装で面談に臨むことは、良い第一印象を与えるために欠かせません。

転職エージェントとの面談は私服で問題ありませんが、エージェントは「企業に安心して紹介できる人物かどうか」という視点で面談の様子を見ています。見た目の印象もその判断材料の一つです。

服装がラフすぎてだらしないと、意欲が低い・ビジネスマナーに不安があるといった印象を与える可能性があります。

とはいえ、面談に必ずしもスーツで行く必要はなく、服装のポイントは以下の通りです。

  • スーツ or ジャケットを羽織ったきれいめな服装
  • シワのないシャツや襟付きのトップス
  • 靴やカバンも汚れや傷みに注意
  • オンライン面談でも、上半身と背景の印象には気を配る

特別な服を買いそろえる必要はありませんが、最低限の身だしなみを整えるだけで印象は大きく変わります。

ポイント5:今すぐの転職でない場合は、転職すべきかどうかなどを相談してみる

転職の意思がまだ固まっていない場合でも、転職すべきかどうかを相談してみることが、かえって良い印象につながることがあります。

現時点で方向性が定まっていなくても、「なぜ悩んでいるのか」「どんな不安があるのか」を率直に伝えることで、エージェントはあなたに合った助言や情報を提供しやすくなります

むしろ、表面的な理由だけで判断しようとするとミスマッチな提案につながることもあるため、迷いのある段階こそ、プロの視点を借りることに意味があります。

また、「転職する気がないと思われるのでは?」と心配する必要はありません。明確な転職時期が決まっていなくても、前向きにキャリアを考えている姿勢が伝われば丁寧に対応してもらえることが多いです。

迷っているからこそ転職のプロに相談してみることで、思わぬ可能性が見えてくることもあります。

ポイント6:高圧的な態度を取らない

面談では、エージェントと協力的な関係を築く意識を持つことが大切です。

というのも、転職エージェントとの関係は転職活動のパートナーに近く、信頼関係があってこそ、あなたに合った提案やサポートを提供できるからです。

エージェント側も人間です。命令口調で話したり、相手の意見を頭から否定したりすると、「この人に企業を紹介するのは難しそう」と判断されてしまう可能性があります。

希望や条件を伝える際も相手の立場や努力を尊重することで、会話の雰囲気も自然と前向きになります。

たとえば、以下のような言い方の違いだけでも、受け取られ方は大きく変わります。

  • ✕「この条件じゃ無理です」
  • 〇「この条件だと難しいかもしれないので、別の方向性も相談できますか?」

エージェントは数多くの求職者と日々やりとりしながら、企業との橋渡しをしています。その中で、柔らかい言葉づかいや誠実な態度は、好印象を与えやすいポイントです。

ポイント7:面談に遅刻・キャンセルする場合は担当者に連絡をする

面談に遅刻やキャンセルをする場合は、必ず担当者に早めに連絡を入れることが大切です。マナーというより、信頼関係を築くための基本的な行動として、意識しておきたいポイントです。

転職エージェントは限られた時間の中で多くの求職者と面談を調整し、企業との連携も同時に進めています。

その中で急な無断キャンセルがあると、スケジュールだけでなく今後の対応にも影響が出かねません。信用を失ってしまうと、希望に合った求人の提案も受けづらくなる可能性があります。

とはいえ、体調不良や急な用事など、やむを得ない事情もあるでしょう。そうした場合は以下のような連絡を送るだけでも印象は大きく変わります。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。本日〇〇時からの面談ですが、やむを得ずご相談させてください。」

たとえ連絡が遅れてしまっても、無視しないで一報入れることが信頼の土台になります

転職エージェントとの面談までの流れ・準備するもの

転職エージェントとの面談までの基本的な流れは以下の通りです。

面談までの流れ

  1. 転職エージェントに登録
  2. 担当エージェントから面談日程の連絡が届くので、面談予約をする
  3. 履歴書・職務経歴書をエージェントに送付
    ※不安や希望条件をまとめたメモを準備しておくと、面談がスムーズに進みます

特に履歴書と職務経歴書は面談前にエージェントが内容を確認するため、転職エージェントの登録時にあらかじめ用意しておくのがおすすめです。

また、不安に感じている点や今後の希望がある場合は、メモにまとめておくだけでも会話がスムーズに進みやすくなります。

そして面談当日の質問に対して正解を出す必要はありません。むしろ「何に迷っているか」「どんな点がわからないか」を率直に話すことが的確な提案につながります。

面談当日に必要な持ち物としては、提出済みの書類のコピーやメモ帳・筆記用具があると安心です。オンライン面談であれば、静かな環境と安定した通信環境を整えておくと集中しやすくなります。

転職エージェントとの面談方法

転職エージェントとの面談方法は、主に〈対面・オンライン(ZOOMなど)・電話〉があります。最近では、LINEでのやり取りも増えてきました。

転職エージェントの会社や支店がある地域なら対面での面談が可能。支店がない地域でも、オンラインや電話で面談できるので、地方在住の方でも安心です。

対面面談が可能な場合は、対面での面談がおすすめ画面越しでは伝わらない微妙なニュアンスを伝えられたり、エージェントと直接会って話すので信頼関係を築きやすいからです。

【Q&A】転職エージェントとの面談に関するよくある質問

Q1:面談をしたら絶対に転職しないといけない?

面談をしたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません

転職エージェントとの面談はあくまで“相談の場”であり、状況の整理や可能性の確認を目的としたものだからです。

多くのエージェントは、すぐに転職を希望していない人とも面談を行っています。

また、納得感のないまま無理に転職を進めてしまうと、入社後のミスマッチや早期離職につながりかねません。そのため、今の会社に残った方がいい場合は、無理に転職を勧めてこないエージェントも多いです。

転職すべきか迷っている段階の方も、まずは一度転職エージェントに相談してみてください。

面談だけでも無料で受けることができます。

Q2:面談をしたらその転職エージェントしか使えなくなる?

面談をした後でも、他の転職エージェントとの併用は可能です。

複数の転職エージェントを同時に利用することは、転職活動において一般的な方法です。求人の選択肢を広げるために、複数のサービスを併用しながら自分に合った選択肢を見つけることが大切です。

また、エージェント側もその点を理解しており、他社と併用していることを伝えても問題視されることはほとんどありません

ただし、同じ企業に複数のエージェントから応募してしまうと、選考トラブルにつながる恐れがあるためその点だけは注意が必要です。

他の転職エージェントも利用している、または利用する予定がある場合は、担当のエージェントにその旨を伝えておきましょう

Q3:転職エージェントの面談だけを受けることはできる?

転職エージェントの面談だけを受けることは可能です。

求人への応募を強制されることはなく、情報収集や今後のキャリアについて相談する目的でも利用して問題ありません。

多くの転職エージェントは、キャリアの方向性に悩んでいる人や、今すぐ転職する予定がない人に対しても親身に対応しています。
むしろ、そうした段階から相談してもらうことで、より長期的な視点でアドバイスできると考えているケースもあります。

もし「面談を受けて転職するか決めたい」「相性のいいエージェントか判断したい」と考えているなら、まずは面談だけでも受けてみるのもいいでしょう。

Q4:転職エージェントとの面談時間はどのくらい?

エージェントとの面談時間は1時間〜1時間半が平均※です。

※参考:リクルートエージェント「転職エージェント担当者との面談内容」

これまでの経歴やスキル、転職の目的、希望条件などが定まって入ればスムーズに面談が進み、スピーディーに求人を紹介してもらいやすくなります。

一方で、「面談で相談してから転職するか決めたい」という段階の人だと、まずはキャリアの棚卸しや希望条件の確認を行うので、予定よりも時間がかかるケースもあります。

忙しくて時間を確保しにくい方は、事前に転職条件や悩みをまとめておき、面談前に担当のエージェントに共有しておくといいでしょう。

Q5:転職エージェントとの面談は、仕事終わりや土日にも実施してもらえる?

平日の夜や土日も営業している転職エージェントなら、仕事終わりや土日の面談は可能です。

とはいえ、ほとんどの転職エージェントでは、平日の夜や土日での面談を受けつけています
平日の日中に時間を取れない方は、登録時や面談調整の連絡の際にその旨を伝えておけば柔軟に対応してもらえるでしょう。

平日の夜は受付時間が決まっている転職エージェントが多いので、余裕を持って面談を受けるなら土日がおすすめです。

まとめ

今回解説したように、転職エージェントとの面談では、ちょっとした振る舞いや準備の有無が印象が大きく変わります。

良い印象を与えることで希望に合う求人の提案や、優先的なサポートを受けやすくなります。

一方で、「なんとなく面談に来た」「エージェントに任せれば大丈夫」といった受け身の姿勢が伝わってしまうと、転職への本気度を疑われてしまうことがあるのでやってはいけません。

転職活動を効率よく進めるためにも、この記事で紹介した“面談でやってはいけないこと”と“好印象を与えるポイント”を意識して、エージェントとの面談に臨んでください。

転職エージェントとの面談は無料で受けられるので、まずは話をしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

転職UPPP編集部ライター T氏:30代前半

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運営会社情報

  • 運営会社:UPPGO株式会社
  • 所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田7-20-9 KDX西五反田ビル5F
  • 有料職業紹介事業 許可番号:13-ユ-313755
  • プライバシーマーク登録番号:第21004733(02)号
  • お問い合わせ:contact@tenshoku-uppp.com