
この記事でわかること
- 退職は就業規則の申し出期限と引き継ぎ期間から逆算し、希望日の1〜3か月前に伝えるのが目安
- 最初に伝える相手は直属の上司で、面談の時間をもらい、相談ではなく決めたこととして結論から話す
- 退職理由は不満ではなく前向きな事実を短く伝え、引き止めには感謝と意思が変わらないことを繰り返す
「退職したいと、上司にどう切り出せばいいのだろう」と、言い出す直前で手が止まっている方は少なくありません。お世話になった職場ほど、伝え方を間違えたくないと感じるのは自然なことです。
この記事では、退職を伝える前の準備と、何か月前に伝えるかというタイミングを最初に整理します。そのうえで、上司への切り出し方の手順、理由別の例文、引き止められたときの返し方までを順番に解説します。
転職先がすでに決まっている方も、これから探す方も、自分の状況に近い例文を選んで、そのまま使えるようにまとめました。
- 1 | 退職を伝える前に準備する4つのこと
- 2 | 退職を伝えるタイミング|何か月前・どの時期・何時に切り出すか
- 3 | 【5ステップ】上司に退職を切り出す手順と、やってはいけない伝え方
- 4 | 【例文】状況別の退職の言い方・切り出し方
- 5 | 退職理由の伝え方|本音が不満でも角が立たない言い方【理由別例文】
- 6 | メール・電話・チャットで退職を伝えてもいい?
- 7 | 引き止め・退職交渉への対応|退職日を延ばされたときの返し方
- 8 | 退職を伝えた後、退職日までにやること
- 9 | 【Q&A】退職の伝え方に関するよくある質問
- 10 | 在職中に次の職場を探すなら:おすすめの転職エージェント
- 11 | まとめ|退職は準備を整えてから、直属の上司に結論から伝える
退職を伝える前に準備する4つのこと
退職を切り出す前に、退職の意思、就業規則の決まり、退職希望日、転職先の状況の4つを整理しておくと、面談で話す内容をまとめやすくなります。準備が足りないまま伝えると、その場で質問に答えられず、話が長引くことがあります。
まだ辞めるかどうか迷っている段階の方は、先に辞めどきの見極め方で判断の材料をそろえてから、このページに戻ってきてください。
①退職の意思を「相談」ではなく「決定」として固める
上司に伝える前に、退職の意思を固めておくことがいちばんの準備です。迷いが残ったまま話すと、「もう少し考えてみたら」と引き止めの余地を与えやすくなります。
上司の側から見ると、「辞めようか迷っている」は相談で、「辞めることにした」は報告です。相談として受け取られると、条件の見直しや部署異動の提案など、引き止めの話し合いに移りやすくなります。
意思を固めるときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。
- 引き止めで給与や部署の条件が変わっても、辞める考えは変わらないか
- 辞めたい理由は、今の職場では解決できないものか
- 退職後の生活や次の仕事の見通しを、ある程度立てられているか
3つとも「はい」と答えられるなら、伝える準備はできています。どれかに迷いがあるなら、その点を先に整理しておくと、面談の場で揺らぎにくくなります。
②就業規則で申し出の期限と手続きを確認する
次に、勤務先の就業規則にある「退職」の条項を確認します。見るポイントは、何日前までに申し出るか、誰に申し出るか、書面の提出が必要か、の3点です。
厚生労働省の「確かめよう労働条件」も、一般的に就業規則等に退職の手続が定められていると説明しています。その内容を確認したうえで手続をとることが、トラブル防止のために大切だという趣旨です。
就業規則に「退職の1か月前までに申し出ること」とあれば、それが社内のルールです。退職日から逆算するときの起点になるので、日数と申し出先をメモしておいてください。
法律上の申し出期間と就業規則の期間の関係、退職届の書き方は、退職届と就業規則の期間の考え方で詳しく整理しています。
※ 参考元:厚生労働省「確かめよう労働条件 退職、解雇、雇止めなど」(2026年9月時点)
③退職希望日は「第1希望」と「譲れる範囲」を決めておく
退職希望日は、1つの日付だけでなく「第1希望」と「ここまでなら延ばせる」という範囲で考えておきます。上司から日程の相談を受けたとき、その場で答えられるようにするためです。
決めるときに関わるのは、主に次の3つです。
- 残っている年次有給休暇の日数と、消化にかかる期間
- 担当業務の引き継ぎにかかる期間
- 転職先の入社日(決まっている場合)
有給休暇を消化してから退職する場合、最終出社日と退職日は別の日になります。どちらの日付の話をしているのかを、面談の前に自分のなかで区別しておくと混乱しません。
譲れる範囲を先に決めておけば、「もう少し先にできないか」と言われたときに、応じるか断るかを落ち着いて判断できます。
④転職先が決まっているなら入社日と労働条件を書面で確かめる
転職先が決まっている場合は、退職を伝える前に、入社日と労働条件を書面で確認しておきます。内定を口頭で伝えられただけの段階で退職を申し出ると、条件が変わったときに今の会社に残れない場合があるためです。
在職中でも転職活動はできます。次の職場を決めてから退職を伝えると、入社日という明確な期限があるため、退職日の調整や引き止めへの対応が進めやすくなります。
在職中の活動が職場に知られないか心配な方は、在職中の転職活動が知られる原因と対策を確認しておくと安心です。
一方で、心身の不調などで先に退職したほうがよい場合もあります。退職を伝える前に転職先を決めることが、すべての人にとっての正解というわけではありません。
準備が整ったら、次はいつ伝えるかを決めます。
退職を伝えるタイミング|何か月前・どの時期・何時に切り出すか
退職を伝えるのは、退職希望日の1〜3か月前が目安です。就業規則の申し出期限と、引き継ぎに必要な期間のうち、長いほうに合わせて日付を決めます。
何か月前に伝える?就業規則と引き継ぎ期間から逆算する
伝える日は、就業規則の申し出期限と、引き継ぎにかかる期間の2つから逆算します。どちらか長いほうに、少し余裕を持たせるのが基本です。
引き継ぎにかかる期間は、担当している業務の量と、後任がすぐに見つかるかどうかで変わります。引き継ぎ計画を立てるための目安を、編集部で整理しました。
担当業務の状況 | 伝える時期の目安(編集部整理) | 理由 |
|---|---|---|
定型業務が中心で、社内に後任候補がいる | 退職希望日の1か月前〜 | 引き継ぎ資料の作成と後任への説明が中心になる |
顧客や取引先を担当している、進行中の案件がある | 退職希望日の2か月前〜 | 取引先へのあいさつと案件の区切りに時間がかかる |
管理職・専門職で、後任の採用や育成が必要 | 退職希望日の3か月前〜 | 後任の採用や社内異動の調整から始まる |
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この表から読み取れるのは、担当範囲が広いほど早めに伝える必要があるという点です。ここで示した時期は法律上の期限でも統計でもなく、引き継ぎの実務から見た目安です。引き継ぎや後任の採用が終わることが、退職が成立する条件になるわけではありません。
法律では、期間の定めのない雇用の場合、退職の申し入れの日から2週間を経過すると雇用が終了すると民法第627条第1項が定めています。これは申し入れから雇用が終了するまでの法律上のルールで、引き継ぎを考えた伝える時期の目安とは別のものです。
契約期間の定めがある働き方(有期契約)の場合は、ルールが異なります。このあとの「引き止め・退職交渉への対応」で概要を説明します。
※ 参考元:e-Gov法令検索「民法」第627条第1項(2026年9月時点)
内定承諾と退職の申し出、どちらが先?
転職先がある場合は、入社日と労働条件を書面で確認し、納得して内定を承諾したうえで、現職に退職を申し出るのが一般的な順番です。先に退職を申し出てしまうと、内定の条件が合わなかったときに退職日などの調整が難しくなる場合があります 。
入社日は、転職先と現職の両方にかかわります。内定承諾の時点では、就業規則の申し出期限と引き継ぎ期間を踏まえて、無理のない入社日を転職先と相談しておいてください。
入社日を早めに設定しすぎると、現職の引き継ぎが終わらないまま退職日を迎えることになります。転職先には「現職の引き継ぎに◯週間ほど必要です」と具体的に伝えておくと、調整がしやすくなります。
避けたい時期:繁忙期・期末・人事異動の直前
繁忙期や決算期の直前、人事異動の内示前後は、上司が落ち着いて話を聞きにくい時期です。可能であれば、業務の山を越えた直後に伝えると、引き継ぎの段取りも組みやすくなります。
とはいえ、繁忙期を避けることにこだわりすぎると、伝える時期がどんどん遅れます。職場にとって「完全に都合のよい時期」はほとんどありません。退職希望日から逆算した期限を優先し、そのなかで比較的落ち着いた日を選んでください。
賞与の支給日と退職の時期が重なる方は、伝える時期によって受け取れる額に影響が出る場合があります。支給日との関係はボーナスと退職時期の損得で月別に確認できます。
切り出す時間帯は、上司が落ち着いて話を聞ける時間を選ぶ
切り出す時間帯は、上司に予定の余裕がある時間を選びます。始業直後や会議の直前、締め切りに追われている時間帯は避けたほうが無難です。
具体的には、業務の区切りがつく夕方や、上司の予定表が空いている時間帯が候補になります。事前に「少しお時間をいただけますか」と声をかけ、上司の都合のよい時間を決めてもらう形にすると、話を聞く姿勢を整えてもらいやすくなります。
曜日に決まりはありません。曜日よりも、上司と自分の予定を優先して決めてください。
試用期間中や入社して間もない場合
試用期間中や入社から数か月での退職は、伝え方で気まずさを感じやすい場面です。伝える順番は同じですが、理由の伝え方や切り出す時期に固有の注意点があります。
試用期間中の方は、試用期間中の辞め方と気まずさへの対処で、切り出す時期と理由の伝え方を確認してください。
伝える時期が決まったら、実際の切り出し方を手順で見ていきます。
【5ステップ】上司に退職を切り出す手順と、やってはいけない伝え方
退職は、直属の上司に面談の時間をもらい、二人で話せる場所で「感謝→退職の意思→理由→退職希望日」の順に伝えます。話した内容は、その日のうちに記録しておきます。直属の上司に言いにくい事情があるときの例外は、このあとの状況別の例文で紹介します。
言い出す勇気が出ないという段階の方は、上司に辞めたいと言えないときの対処法もあわせて読んでみてください。
ステップ1:直属の上司に面談の時間をもらう
退職の意思を最初に伝える相手は、直属の上司です。同僚や人事、さらに上の役職者に先に話すと、上司が部下の退職を人づてに知ることになり、関係がこじれる原因になります。
面談の依頼は、口頭で短く伝えるのが基本です。この時点では「退職」という言葉を出さず、相談したいことがあると伝えるだけで構いません。
【例文】口頭で面談を依頼する
「◯◯さん、今後のことで少しご相談したいことがあります。今週どこかで15分ほどお時間をいただけないでしょうか」
上司と顔を合わせる機会が少ない職場では、社内チャットやメールで依頼しても問題ありません。その場合も、本文には退職と書かず、面談の時間をもらうことだけを目的にします。
【例文】チャットで面談を依頼する
「お疲れさまです。今後のことでご相談したいことがあり、15分ほどお時間をいただけないでしょうか。◯日か◯日の夕方でご都合のよい時間があれば、合わせます」
ステップ2:最初の一言で退職の意思をはっきり伝える
面談の場では、時間をもらったお礼を伝えたあと、最初に退職の意思を伝えます。前置きが長くなると、上司は何の話なのかをつかめず、相談だと受け取られやすくなります。
場所は、会議室など二人だけで話せる場所を選びます。周囲に人がいる席や、休憩室での立ち話は避けてください。
伝えるときは「辞めようと思っています」ではなく、決めたことだと分かる言い方にします。「退職させていただきたいと考えています」「退職することを決めました」といった表現です。
【例文】最初の一言
「お時間をいただきありがとうございます。突然のご報告で申し訳ありませんが、◯月末で退職させていただきたく、お話に参りました」
ステップ3:退職理由は短く、前向きな事実で伝える
退職理由は、結論のあとに1〜2文で伝えます。上司が理由を尋ねるのは、引き止められる余地があるかを確かめるためでもあります。長く説明するほど、「それなら改善できる」という話になりやすくなります。
不満が本音であっても、それをそのまま伝える必要はありません。「新しい分野に挑戦したい」「家庭の事情で働き方を変える必要がある」など、事実の範囲で前向きに言える部分を選びます。
理由ごとの言い方は、このあとの「退職理由の伝え方」で例文つきで紹介します。
ステップ4:退職希望日と引き継ぎの見通しを伝える
理由を伝えたら、退職希望日を伝えます。あわせて、引き継ぎをどのように進めるつもりかを一言添えると、上司は職場への影響を見積もりやすくなります。
【例文】希望日と引き継ぎを伝える
「退職日は◯月◯日を希望しています。それまでに担当案件の引き継ぎ資料をまとめ、後任の方への説明も進めるつもりです。日程について、ご相談させていただけますか」
上司と話し合って退職日に合意できれば、それがいちばん円満な進め方です。準備の段階で決めた「譲れる範囲」の内であれば、上司の事情にも耳を傾けてください。
ステップ5:話した内容を記録し、次の手続きを確認する
面談が終わったら、その日のうちに、話した内容をメモに残します。伝えた日付、退職希望日、上司の返答、次に話す予定の4点があれば十分です。
次に確認するのは、退職届の提出方法です。会社の様式があるか、いつ誰に出すかを上司に確認し、指示に沿って準備します。退職届の書き方は、先に紹介した退職届の記事で記入例つきで解説しています。
上司から「少し考えさせてほしい」と言われた場合は、次の面談の日程をその場で決めておくと、話が止まったままになるのを防げます。
やってはいけない伝え方5つ
円満に退職したい場合、次の5つの伝え方は避けてください。どれも、上司との関係をこじらせたり、話し合いを長引かせたりする原因になります。
避けたい伝え方 | 起きやすいこと | 代わりにすること |
|---|---|---|
同僚や取引先に先に話す | 上司が人づてに知り、不信感を持たれる | 最初に直属の上司に伝える |
メールやチャットだけで済ませる | 文面だけでは意図が伝わりにくく、確認のやりとりが増える | 面談の依頼に使い、本題は対面で伝える |
職場や上司への不満をぶつける | 改善策の提案や反論が始まり、話が長引く | 前向きな事実を短く伝える |
迷っている様子のまま切り出す | 相談と受け取られ、引き止めが長引く | 決めたこととして結論から伝える |
話し合いをせず退職日だけを通告する | 引き継ぎの調整がこじれやすい | 希望日を伝え、日程は相談する |
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この表の5つは、いずれも伝える「順番」と「言い方」に関わるものです。行き違いを減らすために、誰に、どの順で、どんな言葉で伝えるかを事前に整えておいてください。
手順が分かったところで、状況別の言い方を例文で確認します。
【例文】状況別の退職の言い方・切り出し方
退職の切り出し方の基本形は「感謝→退職の意思→理由→退職希望日」の順です。そのうえで、転職先の有無や職場の状況に合わせて、言葉を少し変えます。
基本の言い方(そのまま使える例文)
どの状況でも使える、基本の言い方です。自分の言葉に直すときも、感謝・退職の意思・退職希望日の3つは残してください。
【例文】基本の言い方
「お忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。突然のご報告で恐縮ですが、一身上の都合により、◯月末で退職させていただきたいと考えています。在籍中は◯◯の仕事を任せていただき、多くを学ばせていただきました。退職日までに引き継ぎをしっかり進めますので、今後の進め方についてご相談させてください」
「一身上の都合」は、自己都合の退職で理由を詳しく述べないときに使う言い方です。理由を尋ねられた場合は、このあと紹介する理由別の言い方で補足します。
転職先が決まっている場合
転職先が決まっている場合は、入社日という動かしにくい期限があることを伝えると、退職日の調整がしやすくなります。社名まで説明する必要は通常ありません。
【例文】転職先が決まっている場合
「次の職場が決まり、◯月◯日に入社する予定です。そのため、退職日は◯月◯日を希望しています。担当している◯◯の案件は、それまでに区切りをつけて引き継げるよう進めます」
転職先が決まっていることを伝えると、引き止めの余地が少ないことが上司にも伝わります。ただし、同業他社への転職などで伝え方に迷う場合は、「次の職場が決まっている」ことだけを伝え、詳しい情報は控えても構いません。
転職先が決まっていない場合
転職先が決まっていない場合も、伝え方の順番は変わりません。「次が決まっていないなら、もう少しいてほしい」と言われやすいため、退職の意思が固いことをはっきり伝えます。
【例文】転職先が決まっていない場合
「今後のキャリアを考えた結果、一度区切りをつけて、次の仕事にしっかり向き合いたいと考えるようになりました。◯月末での退職を希望しています」
次が決まっていない状態で辞めるかどうかの判断や、退職後に必要な準備は、次の仕事が決まる前に辞めるときの判断軸で整理しています。
上司が忙しく、時間を取ってもらえない場合
面談を頼んでも「今は忙しいから後で」と先延ばしにされる場合は、具体的な候補日を示して時間をもらいます。「退職の件で」と用件を伝えるのは、この段階なら問題ありません。
【例文】時間を取ってもらえないとき
「お忙しいところ申し訳ありません。退職についてお伝えしたいことがあり、今週中に15分だけお時間をいただけないでしょうか。◯日か◯日でご都合をうかがえますか」
それでも時間が取れない場合は、メールで面談を依頼し、依頼した記録を残しておきます。
直属の上司に言いにくい事情がある場合
直属の上司からハラスメントを受けているなど、最初に上司へ伝えることが難しい事情があるときは、例外として人事部やさらに上の上司に相談して構いません。
【例文】人事部に相談するとき
「退職について相談させていただきたいことがあります。直属の上司に直接お伝えすることが難しい事情があるため、進め方についてご相談できないでしょうか」
この場合は、なぜ直属の上司に伝えられないのかを簡潔に説明し、提出先や面談の相手について人事の指示を仰いでください。
次は、上司に理由を尋ねられたときの答え方です。
退職理由の伝え方|本音が不満でも角が立たない言い方【理由別例文】
上司に伝える退職理由は、本音をすべて話す必要はなく、事実の範囲で前向きに言える部分を短く伝えれば足ります。うそをつくのではなく、伝える範囲を選ぶという考え方です。
なお、ここで扱うのは今の職場の上司に伝える理由です。転職先の面接で退職理由を答えるときの考え方は、面接で聞かれる退職理由の答え方を参考にしてください。
退職理由は「うそ」ではなく「伝える範囲」を選ぶ
転職した人が前の職場を辞めた理由を見ると、「その他の個人的理由」「その他の理由(出向等を含む)」や「定年・契約期間の満了」を除けば、収入・人間関係・労働条件といった職場に関わる理由が上位に並びます。厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」による、転職入職者が前職を辞めた理由の割合は次のとおりです。
前職を辞めた理由 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
給料等収入が少なかった | 9.9% | 8.6% |
職場の人間関係が好ましくなかった | 8.9% | 11.5% |
労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.5% | 12.9% |
会社の将来が不安だった | 6.9% | 4.3% |
仕事の内容に興味を持てなかった | 5.2% | 4.6% |
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この表は、前職が雇用者で調査時点で在籍している転職入職者の回答から、職場に関わる主な理由を抜き出したものです。ほかに「その他の個人的理由」が男性16.8%・女性23.8%、「定年・契約期間の満了」が男性16.1%・女性9.8%あります。
こうした理由を、そのまま上司に伝えなければいけないわけではありません。上司に理由を伝える目的は、退職を納得してもらい、引き継ぎに進むことです。改善を求める話し合いをしたいのでなければ、前向きに言える事実を選んで伝えるほうが、話の焦点がぶれにくくなります。
一方で、事実と違う理由を作ることは避けてください。家族の事情や病気を理由にしたうその説明は、あとで話が食い違ったときに信頼を損なうおそれがあります。
※ 参考元:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表5(2026年8月公表)
キャリアアップ・やりたい仕事がある場合
キャリアアップややりたい仕事が理由のときは、今の職場で得たものへの感謝と、次に挑戦したいことをセットで伝えます。今の職場を否定する言い方にならないのがポイントです。
【例文】キャリアアップが理由の場合
「この職場で◯◯の経験を積ませていただいたことで、今後は◯◯の分野に専門的に取り組みたいと考えるようになりました。今の部署では難しい挑戦なので、環境を変えて取り組むことを決めました」
上司によっては「それならうちで挑戦できるように考える」と提案されることがあります。その場合も、すでに決めたことだと改めて伝え、退職日や手続きの確認に話を移します。
人間関係・待遇への不満が本音の場合
人間関係や給与、労働時間への不満が本音のときは、不満そのものではなく、次に求める働き方として言い換えます。「〜が嫌だから辞める」を「〜を実現したいから移る」に置き換える考え方です。
本音 | 上司に伝える言い方の例 |
|---|---|
給与が上がらない | 「成果が収入に反映される環境で働きたいと考えました」 |
残業が多く休みが取れない | 「家庭との時間を確保できる働き方に変えたいと考えました」 |
人間関係がつらい | 「チームの進め方について、自分に合う環境を探したいと考えました」 |
仕事内容が合わない | 「◯◯の仕事により専門的に取り組みたいと考えました」 |
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この表から読み取れるのは、どの言い換えも「次に何を求めるか」を主語にしているという点です。不満を言葉にしないぶん、上司が反論や改善策を持ち出す余地が少なくなります。
ハラスメントなど、会社に改善を求めるべき問題がある場合は、言い換えで済ませる必要はありません。人事部や社内の相談窓口に事実を伝えることも選択肢です。
家庭の事情(介護・結婚・転居など)の場合
家族の介護や結婚、配偶者の転勤による転居などが理由のときは、事実を簡潔に伝えれば十分です。家庭の事情は職場の側で改善策を示しにくい理由のため、引き止めの話にはなりにくいと考えられます。
【例文】家庭の事情が理由の場合
「家族の介護が必要になり、今の勤務形態を続けることが難しくなりました。家族とも相談したうえで、◯月末で退職させていただきたいと考えています」
詳しい事情まで話す必要はありません。話せる範囲で伝え、プライベートな内容に踏み込まれたくない場合は「家庭の事情で」とだけ伝えても構いません。
体調不良・メンタル不調の場合
体調不良やメンタル不調が理由の方は、無理のない範囲で、働き続けることが難しいという事実を伝えれば十分です。病名や症状を詳しく説明する必要はありません。
【例文】体調不良が理由の場合
「体調を崩しており、今の働き方を続けることが難しい状態です。治療に専念するため、◯月末で退職させていただきたいと考えています」
対面で話すことが負担になる場合は、まずメールで面談の依頼や事情の説明をする方法もあります。書き方はこのあとの「メール・電話・チャットで退職を伝えてもいい?」で紹介します。
体調がすぐれない状態が続いている方は、退職を伝える前に、医療機関の受診を検討してください。勤務先に産業医がいる場合は、休職という選択肢も含めて相談できます。一人で抱え込まないために、厚生労働省の「こころの耳」では、働く人向けに電話・SNS・メールの相談窓口を案内しています。
退職だけでなく、仕事との付き合い方そのものを見直したい方は、メンタルの不調と仕事の選び方も参考になります。
※ 参考元:厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」(2026年9月時点)
転職先の社名や条件は言わなくてよい
通常の退職の申し出では、転職先の社名や年収などの条件まで上司に説明する必要はありません。尋ねられたら「入社前なので、詳しいことは控えさせてください」と答えれば十分です。
社名を伝えると、「あの会社はやめたほうがいい」といった意見や、条件の比較による引き止めが始まることがあります。退職の手続きに必要な情報ではないため、話さないという選択もできます。ただし、入社時などに競業避止に関する誓約書を提出している場合は、転職先との関係でその内容に触れないかを確認しておいてください。
理由の伝え方が決まったら、対面以外の伝え方も確認しておきます。
メール・電話・チャットで退職を伝えてもいい?
退職の意思は、対面で伝えるのが基本です。リモート勤務ならオンライン面談で伝えます。メールやチャットは、面談を依頼するときや、対面で伝えられない事情があるときに使います。
メール・チャットは「面談の依頼」に使う
メールやチャットで退職を伝えると、上司は文面だけで事情を判断することになり、意図が伝わりにくい場合があります。確認のやりとりも増えるため、本題は対面で伝え、メールやチャットは面談の依頼に使うのが基本です。
【例文】面談を依頼するメール
件名:ご相談のお時間をいただけないでしょうか
◯◯部長
お疲れさまです。◯◯です。
今後のことで直接ご相談したいことがあり、15分ほどお時間をいただけないでしょうか。
◯月◯日(◯)または◯月◯日(◯)の夕方であれば、ご都合に合わせます。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
件名や本文に「退職」と書かないのは、上司以外の人の目に触れる可能性や、文面だけで話が先に進んでしまうことを避けるためです。
リモートワーク中はオンライン面談で伝える
在宅勤務が中心で上司と顔を合わせる機会がない場合は、オンライン面談で伝えます。チャットで面談を依頼し、カメラをオンにして話すと、対面に近い形で伝えられます。
オンラインでも、伝える順番は対面と同じです。周囲に人がいない場所から接続し、上司にも一対一で話せる状況かを確認してから本題に入ってください。
対面で伝えられない事情があるときのメール例文
体調不良で出社できない、休職中であるなど、対面で伝えることが難しい事情があるときは、メールで退職の意思を伝えても構いません。その場合は、対面で伝えられない理由を一言添えます。
【例文】対面が難しいときのメール
件名:退職のご連絡
◯◯部長
お疲れさまです。◯◯です。
本来であれば直接お伝えすべきところ、体調がすぐれず出社が難しいため、メールにて失礼いたします。
一身上の都合により、◯月◯日をもって退職いたします。
引き継ぎについては、資料をまとめてお送りするなど、できる範囲で対応いたします。
今後の手続きについてご指示いただけますと幸いです。
送ったメールは、本文と送信日時が分かる形で保存しておきます。あわせて、上司からの返信など、会社に届いたことが分かる記録も残してください。返信がなく届いたかどうか分からないときは、電話などで受け取ったかを確認します。退職の意思表示は、相手に届いた時点で効力が生じるためです(民法第97条第1項)。
※ 参考元:e-Gov法令検索「民法」第97条(2026年9月時点)
電話やLINEで伝える場合の注意点
電話は相手の声で反応を確かめられる一方、やりとりが記録に残りません。電話で伝えた場合は、あとで「お電話でお伝えした件」としてメールを送り、日付と内容を残しておきます。
LINEなどの私的な連絡手段は、職場で連絡に使われている場合でも、退職の本題を伝える手段としては、意図が伝わりにくい場合があります。面談の依頼にとどめ、本題は対面かオンライン面談、難しい場合はメールで伝えてください。
伝えたあとに多いのが、引き止めへの対応です。
引き止め・退職交渉への対応|退職日を延ばされたときの返し方
引き止められたときは、感謝を伝えたうえで、退職の意思が変わらないことを繰り返します。退職日を延ばしてほしいと言われたら、具体的な引き継ぎ案を示して、希望日に近づけるよう話し合います。
【引き止めパターン別】返し方の例文
引き止めにはいくつかの典型的なパターンがあります。どのパターンでも、相手の言葉を否定せず、感謝を伝えてから意思を繰り返すのが基本です。
引き止めの言葉 | 返し方の例 |
|---|---|
「給与を上げるから残ってほしい」 | 「評価していただけるのはありがたいのですが、条件ではなく今後やりたい仕事を考えて決めたことです」 |
「後任がいないから困る」 | 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。退職の意思は変わりませんが、退職日までに引き継ぎ資料をまとめます。後任が決まっていない場合も、上司やチームに共有して、残りの期間でできる限り引き継ぎます」 |
「今辞めるのは無責任だ」 | 「ご負担をおかけすることは承知しています。そのぶん、退職日までの引き継ぎには責任を持って取り組みます」 |
「もう一度考え直してほしい」 | 「時間をかけて考えたうえでの結論です。気持ちは変わりませんので、今後の進め方をご相談させてください」 |
「部署を異動すれば続けられるのでは」 | 「ご配慮ありがとうございます。部署の問題ではなく、自分のキャリアを考えて決めたことです」 |
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この表の返し方は、いずれも感謝や謝意を示しつつ、退職の意思と、自分が対応できる範囲を伝えています。議論で相手を説得しようとするより、意思と対応できる範囲を簡潔に伝えることを意識してください。
引き止めの言葉に心が動いたときは、その場で返事をせず、「一度持ち帰らせてください」と伝えて構いません。
待遇改善を提示されて迷ったときの考え方
給与の引き上げや役職などの待遇改善を提示されて迷うこともあります。その場合は、辞めたいと思った理由が、提示された条件で解決するかどうかを基準に考えます。
辞めたい理由が給与だけであれば、条件次第で残る判断もあり得ます。一方で、人間関係や仕事内容、働き方への不満が理由なら、給与が上がっても状況は変わらない可能性があります。
提示された条件は、口頭の約束だけで判断しないことも大切です。残ると決める場合は、いつから、どの条件が変わるのかを書面で確認してください。すでに退職の意思を伝えている場合は、自分の判断だけで撤回できるとは限りません。退職の撤回と雇用の継続について会社と確認し、合意した内容を記録に残してください。
退職日を延ばされそうなときは引き継ぎ計画で応える
「後任が決まるまで」「このプロジェクトが終わるまで」と退職日の先延ばしを求められたときは、引き継ぎ計画を具体的に示して応えます。いつまでに何を渡すかが見えると、上司も希望日を受け入れやすくなります。
【例文】退職日の先延ばしを求められたとき
「転職先の入社日が◯月◯日に決まっているため、退職日を動かすことは難しい状況です。その代わり、◯日までに引き継ぎ資料をまとめ、◯日から後任の方と同行して取引先を回ります。この計画で進めさせていただけないでしょうか」
先延ばしに応じるかどうかは、準備の段階で決めた「譲れる範囲」で判断します。範囲を超える場合は、応じられない理由と代わりにできることをセットで伝えてください。
話し合いが進まないときの法律上のルールと相談先
何度話しても退職を認めてもらえない場合は、法律上のルールを知っておくと、落ち着いて対応できます。厚生労働省は、期間の定めのない労働契約について次のように説明しています。会社が退職を認めないと言っても、退職届の提出など退職の申し入れをすれば、原則として2週間経過した時点で契約は終了するという内容です(民法第627条第1項)。
なお、この記事の例文は、上司と円満に調整するための会話例です。「退職させていただきたい」「ご相談」といった言い方は、会社の承諾を前提にした申し出(合意退職の申し込み)と受け取られることがあります。厚生労働省の労務管理サイトも、会社の承諾を求める申し出か、一方的な退職の意思表示かの区別がつかないときは、合意退職の申し込みと考えられると説明しています。退職日を確定させる必要があるときは、「◯月◯日をもって退職します」と、相談と区別できる形で退職の意思をはっきり伝え、その記録を残してください。
一方、契約期間の定めがある労働契約(有期契約)でも、会社と合意すれば、契約期間の途中で退職できます。合意によらず途中で契約を解除する場合は、やむを得ない事由が必要です(民法第628条)。
ただし、契約期間が1年を超える有期契約には特例があります。その契約の期間の初日から1年を経過した日以後は、使用者に申し出ていつでも退職できます(労働基準法第137条)。一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約や、同法第14条第1項各号に当たる高度の専門的知識等を持つ方・満60歳以上の方の契約は、この特例の対象外です。有期契約の方や、就業規則の期間との関係を詳しく確かめたい方は、申し出から退職が成立するまでのルールで確認してください。
退職をめぐる相談は、公的な窓口にも寄せられています。厚生労働省の「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、民事上の個別労働関係紛争の相談(内訳の延べ件数)のうち「自己都合退職」は38,386件でした。「その他の労働条件」「その他」を除く区分では、「いじめ・嫌がらせ」に次いで多い件数です。
同じ資料には、会社の規程に沿って退職日の1か月前に退職の意思を伝え、退職届も提出したのに、希望日での退職を認めてもらえなかった正社員の事例が載っています。労働局長の助言として事業主に民法第627条第1項が説明され、話し合いの結果、本人の希望する日に退職することになりました。
話し合いで解決しないときは、都道府県労働局や労働基準監督署などに設けられた「総合労働相談コーナー」に相談できます。全国378か所(令和8年4月1日現在)にあり、予約不要・無料で、専門の相談員が面談か電話で対応しています。
自分で伝えることが難しい場合に、退職の意思を代わりに伝える退職代行サービスを使う方もいます。運営元によって対応できる範囲が異なるため、利用を考える場合は退職代行の選び方と対応範囲の違いを確認してから決めてください。
※ 参考元:e-Gov法令検索「民法」第627条・第628条、「労働基準法」第137条、厚生労働省「確かめよう労働条件 退職、解雇、雇止めなど」、厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2026年7月公表)、厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」、厚生労働省「スタートアップ労働条件」Q&A(いずれも2026年9月時点)
話し合いの見通しが立ったら、退職日までの準備に移ります。
退職を伝えた後、退職日までにやること
退職日が決まったら、退職届の提出、引き継ぎと有給休暇の日程調整、社内外への報告、最終出社日のあいさつの順に進めます。
退職届を会社の指示に沿って提出する
退職日が決まったら、会社の指示に沿って退職届を提出します。会社独自の様式がある場合はそれを使い、提出先と提出日を上司に確認してください。
退職届は、口頭で伝えた退職の意思を書面に残すものです。書き方や用紙の選び方、封筒への入れ方は、先に紹介した退職届の記事で確認できます。
引き継ぎ資料をつくり、有給休暇の消化日程を上司と決める
引き継ぎは、担当業務の一覧、進行中の案件の状況、取引先の連絡先、よくある問い合わせと対応方法をまとめた資料をつくるところから始めます。資料があれば、後任が決まる前でも上司が内容を把握できます。
有給休暇を消化してから退職したい場合は、引き継ぎの日程とあわせて早めに上司と相談します。最終出社日と退職日を並べたスケジュールを示すと、話がまとまりやすくなります。
同僚・取引先への報告は上司と時期をそろえる
同僚や取引先に退職を伝える時期は、上司と相談して決めます。上司より先に周囲へ話すと、職場の混乱や、取引先への伝わり方の食い違いにつながるためです。
取引先には、後任の担当者を紹介できる段階で伝えると、相手も安心しやすくなります。上司や後任と一緒にあいさつに行けるよう、日程を調整しておくと引き継ぎがスムーズになります。
最終出社日のあいさつ
最終出社日には、お世話になった人に直接あいさつをします。部署全体への連絡はメールで送ることも多く、その場合も退職理由は「一身上の都合」とし、感謝の言葉を中心にまとめます。
【例文】最終出社日のあいさつ
「本日で最終出社となります。在籍中は大変お世話になりました。皆さんに教えていただいたことを、次の職場でも生かしていきたいと思います。ありがとうございました」
【Q&A】退職の伝え方に関するよくある質問
退職は何か月前に伝えればいいですか?
退職希望日の1〜3か月前が目安で、就業規則の申し出期限と引き継ぎ期間から逆算します。
引き継ぎの実務から見た目安は、担当業務が少なく後任がいる場合は1か月前です。顧客担当や進行中の案件があれば2か月前、後任の採用が必要な管理職などは3か月前を目安にしてください。法律上は、期間の定めのない雇用なら申し入れから2週間で雇用が終了すると民法第627条第1項が定めています。これは法律上のルールで、引き継ぎを考えた目安とは別のものです。
退職を伝えるのは内定承諾の前と後、どちらですか?
入社日と労働条件を書面で確認し、納得して内定を承諾してから伝えるのが一般的です。
先に退職を申し出ると、内定の条件が合わなかったときに退職日などの調整が難しくなる場合があります。内定承諾の時点で、現職の引き継ぎに必要な期間を踏まえて入社日を転職先と相談しておくと、退職日の話し合いもしやすくなります。
退職理由は正直に言うべきですか?
本音をすべて話す必要はなく、事実の範囲で前向きに言える部分を短く伝えれば足ります。
上司に理由を伝える目的は、退職を納得してもらい引き継ぎに進むことです。不満は「次に求める働き方」に言い換えると、角が立ちにくくなります。ただし、事実と違う理由を作ると、あとで話が食い違ったときに信頼を損なうため避けてください。
メンタル不調で退職したいときは、どう伝えればいいですか?
病名や症状を詳しく話す必要はなく、働き続けることが難しいという事実を伝えれば十分です。
対面で話すことが負担になる場合は、メールで事情を説明する方法もあります。体調がすぐれない状態が続いている方は、退職を伝える前に医療機関の受診を検討し、勤務先に産業医がいれば休職も含めて相談してください。
退職はメールやLINEで伝えてもいいですか?
退職の意思は対面で伝えるのが基本で、メールやLINEは面談の依頼に使うのが一般的です。
体調不良や休職中など、対面で伝えることが難しい事情がある場合は、理由を添えたうえでメールで伝えても構いません。その場合は、送信日時の記録に加えて、上司からの返信など会社に届いたことが分かる記録も残しておきます。
上司に引き止められたらどうすればいいですか?
感謝を伝えたうえで、退職の意思が変わらないことを穏やかに繰り返します。
議論で説得しようとするより、意思と対応できる範囲を簡潔に伝えます。待遇改善を提示された場合は、辞めたい理由がその条件で解決するかを基準に考えてください。迷ったときは、その場で返事をせず持ち帰っても構いません。すでに退職の意思を伝えたあとで残ると決める場合は、撤回について会社と確認し、合意した内容を記録してください。
会社が退職を認めてくれない場合はどうなりますか?
期間の定めのない雇用なら、退職の申し入れから原則2週間で労働契約は終了します。
厚生労働省も、会社が退職を認めないと言っても、退職届を提出するなど退職の申し入れをすれば、原則として2週間経過した時点で契約は終了すると説明しています。契約期間の定めがある場合はルールが異なります。話し合いで解決しないときは、総合労働相談コーナーに無料で相談できます。
同僚にはいつ伝えればいいですか?
同僚への報告は、上司と相談して時期を決めてから伝えるのが基本です。
上司より先に同僚に話すと、上司が人づてに退職を知ることになり、関係がこじれる原因になります。退職日と引き継ぎの段取りが決まった段階で、上司から部署に伝えてもらうか、上司の了承を得て自分から伝える形で進めます。
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まとめ|退職は準備を整えてから、直属の上司に結論から伝える
退職の伝え方で押さえたいのは、準備・順番・言い方の3つです。
準備では、退職の意思を固め、就業規則の申し出期限を確認し、退職希望日を「第1希望」と「譲れる範囲」で決めておきます。伝える時期は、就業規則と引き継ぎ期間から逆算して、希望日の1〜3か月前が目安です。
順番は、直属の上司に面談の時間をもらい、二人で話せる場所で「感謝→退職の意思→理由→退職希望日」の順に伝えます。同僚や取引先への報告は、上司と時期をそろえてから行います。
言い方は、相談ではなく決めたこととして伝え、理由は前向きな事実を短く添えます。引き止められたら、感謝を伝えたうえで意思が変わらないことを繰り返し、退職日の調整には引き継ぎ計画で応えてください。
最初の面談では、まず要点を簡潔に伝えることが第一歩になります。自分の状況に近い例文を手元に置いて、落ち着いて伝えてみてください。
この記事を書いた人

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